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世界遺産争奪戦、タイ軍が塹壕

2009年7月14日(火) 21時06分(タイ時間)
【タイ】山上遺跡プレアビヒアを挟みカンボジア軍と対じするタイ軍が2000万バーツを投じ20カ所に塹壕を掘った。周辺は両国の国境係争地域で、プレアビヒアが昨年7月、カンボジアの世界遺産に登録されたこときっかけに、昨年10月と今年4月に軍事衝突が起き、双方の兵士数人が死亡した。

 タイ政府は今年7月、プレアビヒアがカンボジア単独の世界遺産に登録されたことで、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)と世界遺産委員会に改めて異議を唱えた。カンボジアはタイの動きに強い不快感を示し、国境周辺で兵力を増強。タイ側も兵を増派し、緊張が高まっている。

〈プレアビヒア〉
 カンボジアのクメール王国が11—12世紀に建立したとされるヒンドゥー寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっている。タイのタクシン元首相派サマック政権は2008年、カンボジアによるプレアビヒアの世界遺産登録申請を支持する共同コミュニケに調印したが、保守勢力の猛反発を受けた上、憲法裁判所に違憲とされ、撤回。カンボジアはタイの支持を得ないままプレアビヒアを世界遺産に申請し、2008年7月、登録された。これをきっかけに2008年10月と2009年4月、プレアビヒア周辺で両国軍が交戦し、双方の兵士数人が死亡した。
 タイは文化や言語の相当部分をカンボジアから輸入したが、現在は国力が衰えたカンボジアを見下す傾向が強い。カンボジアではタイ側の優越感に対する反感が強く、2003年にはタイ人女優が「アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起き、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。
《newsclip》


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