RSS

〈タイ業界事情〉 金型部品

2009年8月8日(土) 14時16分(タイ時間)

KANSEI CO., LTD.
川内英二 氏 (President)

 米国発ともリーマンショックともいわれる世界的不況。我々タイの金型部品業界は、不況に加えて政情不安と円高の追い討ちで、かつてないダメージを受けた。メーカーの立ち直りを期待して6月には回復すると予想していたが、少し遅れ気味のようだ。しかし今回の不況、特に政情不安と円高は、我々に経営強化を促したと実感している。高かった授業料ながらも、この苦境の中で筋肉質な体制を整えた企業こそ、今後の業界をリードしていくであろう。

 我々のような輸入製品が多い商社にとっては、2008年11月から12月にかけて起きたスワンナプーム空港封鎖と円高が致命傷となった。反政府デモで空港が封鎖されて、モノが入ってこない。封鎖が解除されても、円高で原価が高騰。販売価格に反映させるにも限度があり、弊社では他の経費を切り詰めてやり繰りを続けた。そして為替差損。1997年発生の金融危機での経験を生かし切れず、一部で損失を出すことになった。

 世界的不況、政情不安、円高で、それまで順調だった売り上げは一転して減少に。08年12月はそれまでの4割減、年が明けて09年1月は半減にまで落ち込んだ。5―6月には回復に転ずると期待していたが、5月に受注が増えたものの、6月以降は横ばいが続いている。

 自動車業界は底から脱したと思われるが、弊社の受注状況から察する限り、本格的な回復はまだ先のようだ。半導体はもともと波があるものの、一社一社の購買ボリュームが大きいために期待がかかっていたが、他業種より回復は遅いと感じている。

 一方、家電・精密機器、特にハードディスクドライブ(HDD)の復調は目覚しい。弊社の実感値と顧客である日系HDD部品メーカーの話を総合すると、「不況前の全盛期を100とした場合、不況で40にまで落ち込み、5月前後から右肩上がりに転じて現在は120」。メディア報道では輸出が順調ということだったが、国内向けも急増しているという。

 金型市場の場合、メーカー同様の回復は期待薄だ。不況の発生以降、金型は新規モデルの投入が減り、共通化が進んでいる。例えば自動車業界では、異なった車種での部品の共通化が図られている。部品の共通化イコール金型の共通化であり、多大な経費削減につながる。

 タイの製造業は、年内に全盛期の8割を取り戻せれば御の字だろう。金型部品では、少なめの7割と見込むのが妥当ではないだろうか。

 今回の不況では、メーカーの撤退や閉鎖に引きずられて、我々サプライヤーも淘汰(とうた)された。しかし持ちこたえた企業はその分だけ、より筋肉質な経営体制を整えたのではないだろうか。弊社も空港封鎖や円高を機に、日本に頼る体制に不安を感じ、可能な範囲で輸入を現調にシフト。結果的により価格を抑え、より即納とし、よりサービスを充実させることに成功した。

 昨年末から今年半ばまでの半年は、高い授業料ではあったが、それに見合う授業でもあったと実感している。この苦境の中で勉強してきた企業が、今後の経済の回復で業界をリードしていくであろうし、弊社もその一翼を担いたいと思っている。

KANSEI CO., LTD.
住所:3300/114-115 22nd Flr., Elephant Tower (B) Phaholyothin Rd., Chomphon, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:029373381-4
ファクス:029373385-6
Eメール:kanseijp@kansei.co.th
《newsclip》


新着PR情報