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前タイ首相、警察長官ら起訴 デモ隊強制排除で

2009年9月8日(火) 10時41分(タイ時間)
【タイ】昨年10月7日、バンコクの国会議事堂を包囲した反タクシン元首相派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」のデモ隊数千人と警官隊が衝突し、デモ参加者2人が死亡、双方に数十人の負傷者が出た事件で、タイ汚職防止撲滅委員会は7日、当時首相だったソムチャーイ氏(元法務次官)と治安担当の副首相だったチャワリット氏(元首相、元陸軍司令官)、パチャラワート警察長官ら4人を権力乱用、職務怠慢などで起訴すると発表した。ソムチャーイ氏は同日記者会見を開き、「こんなことでは警察が働けなくなり、法と秩序が維持できない」として反発し、裁判で争う姿勢を見せた。

 PADは2005年から反タクシン政権の街頭デモを始め、2006年9月の軍事クーデターでタクシン政権が追放されたため、一時活動を休止。2007年末の総選挙でタクシン派が政権復帰したことから活動を再開し、2008年8月末にンコクの首相府を占拠し、居座った。混乱状態の中、タクシン派のサマック首相が出演料を受け取りテレビの料理番組に出たことを憲法裁判所に違憲とされ、9月に失職。後任の首相にタクシン氏の義弟のソムチャーイ氏が国会で選出された。PADはソムチャーイ氏の就任演説を阻止するため、同年10月、国会を包囲し、強制排除を図った警官隊と衝突した。この事件で警官隊が撃った催涙弾の直撃でデモ参加者多数が重軽傷を負ったほか、PAD側の発砲、車による突進などで警官数十人が負傷した。

 死亡したデモ参加者は男女1人ずつで、男性は所持していた爆弾を誤爆させたとみられる。女性の死因は催涙弾の直撃とみられるが、異論もある。この女性の葬儀はシリキット・タイ王妃が主宰し、ジュラポン王女、枢密顧問官、陸海空3軍の司令官、当時野党だった民主党のアピシット党首(現首相)、PAD幹部らが出席。政府・与党首脳は姿を見せなかった。

 ソムチャーイ政権はこの事件後、もともと命令に服していなかった軍に加え、警察のコントロールも失った。11月下旬にはバンコクの2空港をPADに無抵抗で占拠され、12月、憲法裁によりタクシン派政権与党が解党され、政権が崩壊した。
《newsclip》


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