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タイ警察長官が辞任、首相と対立

2009年9月9日(水) 21時56分(タイ時間)
【タイ】反タクシン元首相派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」のデモを昨年10月に警察が強制鎮圧した事件で起訴される見通しとなったパチャラワート警察長官が9日、アピシット首相(タイ民主党党首)から首相府付への異動を命じられ、数時間後に辞表を提出した。パチャラワート長官は今月末に定年退官するはずだった。

 パチャラワート長官はプラウィット国防相(元陸軍司令官)の弟で、連立与党プームジャイタイ党と関係が深いとされる。プームジャイタイは昨年12月にタクシン派与党が解党された際にタクシン派から民主党陣営に寝返り新政権を発足させたが、同党が推進するバンコクの路線バス4000台のリース計画や農業政策に民主党が待ったをかけた上、PADの創設者で実業家のソンティ・リムトーンクン氏が今年4月に銃撃された事件に関連し、捜査を妨害しているとされたパチャラワート長官が首相の指示で8月前半に一時休職扱いとなり、両党の関係は険悪化した。8月下旬に開かれた後任の警察長官を決める警察委員会会合では、アピシット首相が推薦したパティープ警察大将に、プームジャイタイ党党首のチャワラット内相、パチャラワート長官らが反対票を投じ、結論が持ち越しとなった。パチャラワート長官はその後、「警察幹部のポストを販売した」「娘名義で高級リゾートを所有している」といった疑惑で追及された。

 タイの現政権はタイ民主党、タクシン派政権の追放で主導的な役割を果たし保守派の支持を受けるPAD、タクシン派から寝返った派閥などからなる。タクシン派は今回の内紛を受け、民主党を放逐する新たな軍事クーデターが起きるとしているが、アピシット首相は依然としてタイ国王の諮問機関である枢密院の支持を受けているとみられ、軍事的な政変の可能性は低いとみられる。プームジャイタイなど旧タクシン派の支持を失えば政権は崩壊するが、総選挙では連立政権を構成するグループと敵対するタクシン派が有利とみられ、民主、旧タクシン派、PADは当面、呉越同舟を余儀なくされそうだ。
《newsclip》


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