RSS

タイの反タクシン派団体、カンボジア国境で住民と衝突

2009年9月19日(土) 20時12分(タイ時間)
【タイ】タクシン政権を追放した2006年の軍事クーデターから丸3年となる9月19日、タイ東北部シーサケート県のカンボジア国境で、反タクシン派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」の支持者数千人が国境係争地域からのカンボジア兵、カンボジア住民の撤退を要求して係争地域への進入を図り、これを阻止しようとしたシーサケートの地元住民やタイ警官隊と衝突した。PADと住民はこん棒で殴り合ったり投石しあい、数人が重傷を負った。乱闘現場で銃声もしたが、銃弾でけが人が出たかどうかは不明。

 PADは昨年、カンボジアが係争地域近くの自国領にある山上遺跡プレアビヒアを世界遺産に申請したことに反発。カンボジアを支持した当時のタクシン派サマック政権を追及し、外相を辞任に追い込んだ。プレアビヒアは同年7月に世界遺産に登録され、民族感情に火がついた世論に押された両国軍は昨年10月と今年4月に軍事衝突を起こし、双方の兵士数人が死亡した。シーサケートの住民はこの紛争で国境貿易が落ち込むなど打撃を受け、今回のPADの抗議活動に反発していた。

 プレアビヒアはカンボジアのクメール王国が11—12世紀に建立したとされるヒンドゥー寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。しかし、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、現在も両国間の火種となっている。

〈民主主義のための市民同盟(PAD)〉
タクシン政権当時(2001—2006年)の2005年に実業家のソンティ氏が設立。タクシン氏の王室への不敬、汚職疑惑などを追及し、2006年に数万人規模の街頭デモをバンコクで連続開催、政治機能を麻ひさせ、同年9月の軍事クーデターによるタクシン政権追放を呼び込んだ。2007年末の総選挙でタクシン派が政権に復帰したことから活動を再開し、2008年8月から年末まで首相官邸にあたるタイ首相府を数千人で占拠。11月下旬からはバンコクの2空港も占拠し、タイの空路交通を遮断した。空港占拠中に憲法裁判所がタクシン派与党を解党、政権が野党民主党に移ったことから活動を停止したが、今年6月に「新政治党」を政党登録し、表舞台への復帰に動き始めている。PADはタクシン氏の権力拡大を危ぐした伝統的な権力層、民営化を嫌う国営企業労組、タクシン氏に私怨を抱く実業家らの寄り合い所帯とみられる。タイ王室の支持を受けていると主張し、シンボルカラーはプミポン国王の誕生日の色である黄色。昨年10月にPADのデモ隊が国会議事堂周辺で警官隊と衝突し、メンバーの女性が死亡した際には、シリキット王妃が葬儀を主宰した。
《newsclip》


新着PR情報