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タイ政権実力者に無罪、植林めぐる汚職裁判

2009年9月21日(月) 20時13分(タイ時間)
【タイ】タクシン政権(2001—2006年)当時の2004—2006年に行われたパラゴムノキの植林事業で不正があったとして、ネーウィン元副農相、ソムキッド元副首相兼財務相といった当時の閣僚5人を含む41人と企業3社が背任、権力乱用などの罪に問われた裁判で、タイ最高裁判所は21日、不正が行われた証拠がないとして、被告全員に無罪を言い渡した。現政権の影の実力者であるネーウィン氏が無罪となったことで、連立与党の分裂といった政局の混乱は当面回避された。

 問題の事業は天然ゴムの原料となる乳液 (ラテックス)を産するパラゴムノキをタイ北部、東北部に植林するというもので、政府はタイの大手財閥CPグループの関連企業に苗木の供給を14億バーツで発注した。しかし、2006年9月の軍事クーデターでタクシン政権が崩壊、軍部が設置した汚職調査委員会が同事業の入札で不正があったとして起訴に踏み切った。

 タクシン政権の汚職をめぐる裁判では昨年10月、タクシン元首相が首相在任中に当時の妻が国有地を購入したことを違法とされ懲役2年の実刑判決を受けた。タクシン氏は判決前に出国し、以来、帰国していない。今後さらに、公営の新宝くじの導入、ミャンマーへの借款供与などについて裁判が行われる予定だ。

 ネーウィン氏は昨年12月、選挙違反で与党が解党され崩壊したタクシン派政権から自らの影響下にある派閥・政党を引き連れ野党民主党陣営に寝返り、民主党連立政権を発足させた。ネーウィン氏自身は軍事政権下の2007年に5年間の公民権停止処分を受け、政界の表舞台に立てない立場だが、現在の連立政権下で力をつけ、将来の首相を狙っているとされる。最近は王室に忠誠を誓う発言が増え、21日の判決後も、「2年後にはパラゴムノキが生い茂り、農家の兄弟たちに収入をもたらすだろう。私は今後も死ぬまで王室守護に全力を尽くすのみだ」と語った。

〈ネーウィン・チッチョープ〉
1958年生まれ。タイ国立ラーチャパット大学ブリラム校卒。1986年以来、下院に連続当選。ただし所属政党はほぼ毎回異なる。1995年副財務相、1997年副農業・協同組合相、2002年副商務相(第1次タクシン政権)、2005年の総選挙前にチャートタイ党からタクシン派タイラックタイ党(TRT)に移籍し、2005年首相府相。2006年のクーデターでTRTが解党され、5年間の公民権停止処分を受けた。スキャンダルが絶えない一方、豪腕型で実行力があるという評価も。父は東北部ブリラム県を中心に採石場などのビジネスを手がける実業家・政治家のチャイ氏 (現下院議長)。ネーウィン氏の名前はミャンマーの元独裁者ネ・ウィンを尊敬するチャイ氏が付けた。
《newsclip》


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