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柴野あゆみ医師

2009年10月19日(月) 12時58分(タイ時間)

Dr. Ayumi Shibano
バムルンラード・インターナショナル医療コーディネーター

 1977年4月25日、愛知県生まれ。2002年に名古屋市立大学医学部を卒業後、同大学病院でレジデントとして勤務。2003年に一宮市立市民病院産婦人科へ、2007年に産婦人科専門医となる。2009年7月からは、バムルンラード・インターナショナル国際医療連携センターの医療コーディネーター。勤務時間は月—金曜の午前8時—午後5時。

——産婦人科を選んだ理由は?

 男性が多くを占める医療の世界で、女性の強みを生かせる科としてすぐに思い付いたのが、産婦人科でした。女性は病気や妊娠で病院に通うとき、患者さんによっては男性医師を相手に「理解してもらえるだろうか」「こんな話をしていのだろうか」と不安になるときがあります。そのようなとき、医師が同性であるということだけで症状を臆さずに伝えることができ、不安を取り除くことができます。日本では、産婦人科の医師はまだまだ男性が多いのですが、20—30代といった若い世代は今や半分以上が女性です。

 ほか、小児科も女性の強みが生かせるのではないでしょうか。小児科は子供を診ると同時に、母親にも対応しなければなりません。心配でたまらないのは病気の子供本人ではなく母親ですから、医師が女性であれば気持ちをより理解できると思っています。

——バムルンラードで医療コーディネーターとして勤めることになったきっかけは?

 夫が仕事の関係でバンコク在住となったため、日本で7年間勤めていた病院を退職し、来タイすることを決めました。日本では産婦人科医として勤務し、1000人以上の方の出産に立ち会い、帝王切開を含めて約700件の手術を執刀。妊婦健診やガン検診からはじまり、婦人科ガン手術や化学療法に至るまで、数多くの方と話をし、患者さんからたくさんのことを勉強させてもらいました。

 その経験と知識をバンコクでも活かすべく、何が出来るかと考えていたとき、当院に国際医療連携センターがあることを知り、日本人の方々の相談役として勤務させていただくには良い環境と判断しました。

 タイは観光で何回も来たことがあり、暑い国だという印象がありました。しかし住み始めてみると、雨期ということもあるせいか、さほど暑さを感じなくなりました。

——タイの病院に勤務して日本との違いを感じますか?

 日本と比較して、「患者さんの希望がより優先される」ということでしょうか。もちろん日本でも、医師は考えられうる複数の治療法を患者さんに示し、選択してもらう形をとっています。しかし、ガイドラインに沿ってエビデンスに基づいた治療を選択できるよう説明には気を付けていますし、保険適応外の治療は基本的に行いません。患者さんも主治医を信頼し、任せたいといってくれます。

 一方、タイの病院では、患者さんの主張によっては適応外の方針であっても、その希望を優先させる傾向があると思います。タイや欧米諸国からの患者さんは、自分の考えを比較的強く持っているでしょうし、日本人でも治療方法で何かしらの希望があれば、それが受け入れられる環境です。主治医を信頼して全てを任せるという場合はもちろん、日本同様に医師の勧める方針で治療を受けることができます。

 タイでも日本でも、「信頼できる医師と共に自分の方針を考えるべき」ということに関しては同じです。ただ、治療が難しい病気の場合は、医師が提案したり患者さんが希望を出したりする際に、言葉の障壁があるといけないと思っています。

——産婦人科の場合はどうですか?

 まず驚いたのは、帝王切開率の高さです。経膣分娩の場合は、薬を使わない自然分娩であっても無痛分娩であっても、今の私自身にはこだわりはありません。しかし、当院のタイ人患者さんの帝王切開率の高さには驚いています。

 日本では現在、帝王切開率は20%前後のようですが、当院で出産したタイ人では2006年の統計で約70%です。経済的に裕福な方たちが集まっているからこその数値でしょうが、それでもかなり高値です。ちなみに当院で出産された日本人患者さんの帝王切開率は35%でした。

 もちろん理由があっての帝王切開は必要です。ただ、タイでよく聞かれるように「縁起のいい日に生みたい」「ギリギリまで仕事をしたい」などという理由で出産方法を決めるのは、いかがなものかと思います。

 緊急時において直ちに手術が出来ないような病院では、経膣分娩をするのはリスクがあります。しかし当院では、麻酔科医も小児科医も常時待機。母児の状態で必要と判断される場合は、すぐに緊急帝王切開ができる環境が整っています。この環境は、日本の周産期センター以上ともいえるかと思います。当院でぜひ、経膣分娩を選択していただきたいですね。
——タイでの出産について日本人が不安をもつことはありますか?

 そのような不安を少しでも和らげるのが、自分の仕事だと思っています。情報の偏り、言葉の細かいニュアンスの取り違えなどからも、不安や誤解は生まれます。良く効く薬でも、効くと思って飲まないと効かないことがあります。ご相談を受けた際は、産婦人科にとどまらず幅広い分野でご協力できるよう努力いたします。

 外国では、「とかく薬を飲まされる」という先入観もあるでしょう。薬の投与自体には、何ら心配はありません。例えば妊婦がインフルエンザにかかった場合は、タミフルなどの薬を飲むべきです。日本でも内科などで「妊娠を理由に薬をもらえなかった」という話を度々聞きましたが、薬の副作用よりインフルエンザの重症化の方がはるかに怖いといえます。

 タイの病院、特に当院のような私立は、医療機器から病室まで、日本以上に設備が整っています。出産には指名可能な小児科医が立ち会います。そして何より、タイは妊婦や子供に優しい国です。夫は仕事で忙しい、家族も日本から来られない、「異国で一人で産んで一人で育てなければならない」と不安を感じている方、そのほか体のことで心配をお持ちの方はご連絡ください。

——ありがとうございました

住所:33 Sukhumvit 3, Bangkok 10110
国際医療連携センター(予約受付)
電話:0-2267-2788
ファクス:0-2667-2951
Eメール:Ayumi@bumrungrad.com
《newsclip》


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