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カンボジア首相、タクシン氏に家をプレゼント

2009年10月22日(木) 10時00分(タイ時間)
【カンボジア、タイ】クーデターでタイを追放され国外逃亡中のタクシン元タイ首相(60)のために、カンボジアのフン・セン首相(58)がプノンペンに邸宅を建てたことが明らかになった。タクシン氏は国外滞在中の昨年10月に国有地購入をめぐる汚職で禁固2年の実刑判決を受け、以来、タイに帰国していない。タイ政府は各国にタクシン氏逮捕への協力を求めており、フン・セン首相の「プレゼント」はタイ政府へのあてつけといえそうだ。

 フン・セン首相は21日、プノンペンを訪れたタイのチャワリット元首相(元陸軍司令官、77)と会談した際に、「タクシン氏は国のためにあれだけ仕事をしたのに、不公平な扱いを受けている」と同情し、変わらぬ友情の証しとして、タクシン氏に家を贈ったことを伝えた。チャワリット氏はタクシン派のタイ野党プアタイの会長に就任し、フン・セン首相からカンボジアに招待されていた。

 タクシン氏とフン・セン首相はタクシン氏が実業家だったころからの知り合いで、度々ゴルフを一緒に楽しむ間柄だ。こうした関係からか、2007年末に発足したタクシン派サマック政権はカンボジアに融和的で、タイ、カンボジアの国境近くにあるクメール遺跡プレアビヒアのカンボジアによる世界遺産申請を支持した。しかし、プレアビヒアや周辺の土地の領有権を主張する反タクシンのタイ保守派勢力の猛反発を受けた上、タイ憲法裁判所にカンボジアとの合意を違憲とされ、撤回。カンボジアはタイの支持を得ないままプレアビヒアを世界遺産に申請し、昨年7月、登録された。これをきっかけに昨年10月と今年4月、プレアビヒア周辺で両国軍が交戦し、双方の兵士数人が死亡した。

 タクシン派政権は昨年12月、保守派勢力の猛攻を受け崩壊。その後成立した反タクシン派のタイ民主党連立政権はフン・セン首相を「ならず者」呼ばわりしたカシット元駐米大使を外相に起用し、両国関係はギクシャクしている。

〈タクシン・チナワット〉
1949年、北部チェンマイ生まれの客家系華人。中国名は丘達新。警察士官学校を卒業後、米国に国費留学し、刑法学博士号を取得。帰国後、警察に勤務するかたわら、官公庁へのコンピュータ・リース、不動産開発などを手がけ、1987年に警察中佐で退職。その後、携帯電話サービス、通信衛星などを展開するタイ通信最大手シン・グループを育て上げた。 1995年に政界に転じ、1998年にタイラックタイ(タイ人はタイ人を愛する)党を創設。地方、貧困層へのバラマキ政策を掲げ2001年の総選挙で大勝し首相。 2005年2月の総選挙も圧勝、首相に再選されたが、伝統権力層との対立から、2006年9月の軍事クーデターで失脚し、公職追放処分を受けた。2007 年末の総選挙でタクシン派が勝利したため、2008年2月に帰国。 8月に出国し、不在中の10月に国有地購入をめぐる権力乱用で禁固2年の実刑判決を受けた。タクシン派与党は選挙違反で12月に解党され、これに伴い、タクシン派政権からネーウィン元首相府相派と中小連立4党が民主党に寝返り、民主党連立政権が誕生した。チナワット家のタイ国内の資産約760億バーツは凍結され、裁判で没収される可能性が浮上している。
《newsclip》

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