【タイ】タイからの分離独立を目指すマレー系イスラム教徒の武装組織とタイ当局の武力闘争が続くタイ深南部について、タイのタクシン元首相派野党プアタイのチャワリット会長(元首相、元陸軍司令官、77)が深南部を自治体とする案を示し、物議をかもしている。深南部の「自治区」化は保守派が支配する現在のタイで禁句に近く、アピシット首相ら政府首脳は一斉に反発。一方、イスラム指導者はチャワリット案に関心を示している。
タイ深南部は約100年前にタイに併合されたが、マレー語方言を話すイスラム教徒が住民の大半を占め、タイ語、仏教徒が中心のタイでは異質の地域となっている。2001年からは独立を求める組織の武装闘争が激化し、過去9年で仏教徒、イスラム教徒双方の住民、兵士、警官など4000人近くが死亡した。
こうした状況にも関わらず、「自治区」に対する政府・保守勢力の拒否感は強い。
タイの地方行政・立法は一部が公選制となっているものの、県知事は内務省から派遣される官僚で、実質的に中央の支配下にある。例外は唯一知事が公選制となっているバンコクなどで、チャワリット氏は深南部についても同様の「自治体」を設けることを提案。さらに、独立派組織との交渉、恩赦も検討すべきとした。
これに対しアピシット首相(タイ民主党党首)は「地方行政の枠組みを壊す」「選挙対策だ」などと批判。ステープ副首相(タイ民主党幹事長)は「国土を割ることはできない」「テロリストとの交渉はあり得ない」と一蹴した。さらに、政権与党・タイ民主党のテープタイ報道官は「チャワリット氏の提案は国家への裏切り行為」と非難した。
タイの現政権は昨年末、強力な保守勢力の後押しで発足した。チャワリット氏が今年10月にプアタイに入党した際には、プミポン国王の諮問機関であるタイ枢密院のプレム議長(元首相、元陸軍司令官、89)が「国家への裏切りと取られかねないから熟慮するようにとジウ(チャワリット氏のあだ名)に伝えた」と発言。これに対しプアタイ幹部は「民主主義を育て、王室を守るのが我々の政策で、議長の発言は国民の誤解を招く」(プロードプラソプ・プアタイ副党首)、「枢密院議長は政治的に中立であるべき」(プロームポン・プアタイ報道官)などと反発した。
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