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サマック元タイ首相死去、国会に幽霊?

2009年11月23日(月) 22時15分(タイ時間)
【タイ】タイのサマック・スントラウェート元首相(写真)が24日朝、バンコク都内のバムルンラード病院で死去した。74歳。

 サマック氏は副首相、バンコク都知事などを務めたベテラン政治家。2006年の軍事クーデターで失脚したタクシン元首相の依頼で2007年にタクシン派政党の党首に就き、民政移管のため行われた同年12月の下院総選挙で同党が第1党になったことから、2008年1月に首相に就任した。しかし、サマック政権は軍の掌握に失敗した上、タイ王室に関する発言や対カンボジア外交などをめぐり野党、保守派の攻撃を受け、発足後数カ月で閣僚が次々に辞任。8月末には首相官邸にあたる首相府を反タクシン派のデモ隊に占拠された。混乱の中、サマック氏は首相就任後に出演料をもらいテレビの料理番組に出演したことを憲法裁判所に違憲とされ、9月に失職。直後の10月に肝臓がんと診断され、以来、闘病生活を送っていた。

 サマック氏はほぼ毎日市場で買い物する料理家、猫好き、タイ古典文化の愛好者として知られ、歯に衣着せぬ直截な物言いと相まって、バンコクの庶民に人気があった。バンコク都知事だった当時のオーストリア製消防車の購入契約や西松建設などへの排水トンネル工事発注で収賄の疑いが浮上したが、「悪いことをしてたら首相にはなれなかった」として、すべて否定していた。

 サマック氏の死去について、国外逃亡中のタクシン元首相はミニブログのツイッターに「お悔やみを申し上げる。(タイ国内で行われる)葬儀には出席できないが」と書き込んだ。政敵だったアピシット首相は「タイ政界にとって損失だ」と弔意を示した。

 テレビ報道によると、タイ上院は同日、サマック氏に1分間の黙とうをささげたが、その後の法案審議中に、議場の大型モニターにサマック氏にそっくりの男性が白い礼服姿で合掌礼する画像が数秒間映し出され、大騒ぎとなった。画像が映し出された原因は不明で、議員らは「サマックさんが別れのあいさつに来た」と驚いていたという。タイでは大人でも霊の存在を信じる人が非常に多い。

〈サマック・スントラウェート〉
1935年、バンコク生まれ。9人兄弟の7人目。両親は貴族で、先祖はラマ6世王の侍医。タマサート大学法学部卒業後、新聞記者などを経て、政界入りし、1975年に副農相として初入閣。1976年に右翼団体がタマサート大学を襲撃し多数の死傷者が出た事件では右翼暴徒を扇動したとされる。1970—1990年代に内相、運輸通信相、副首相などを歴任。2000—2004年、バンコク都知事。2008年1—9月、首相。趣味は料理、写真、旅行。スラット夫人との間に双子の娘。
《newsclip》


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