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〈タイ業界事情〉 日本人向けアパート

2009年12月21日(月) 03時36分(タイ時間)

SIAM KOTOBUKI Co., Ltd.
Managing Director
萩原 清太 氏


 不況のあおりで日本人が激減する、供給過剰でアパート家賃は値崩れを起こす——。昨年暮れから今年にかけてひんぱんに聞かれた言葉だが、実際には日本人数は微減にとどまり、アパート家賃は下がることはなかった。減ったのは日本からの出張者や旅行者、増えているアパートは日本人のニーズに合わない物件というのがその理由だ。むしろ古い物件がニーズから外れて、「日本人向けアパート市場」はタイトになっていく可能性がある。

 在タイ日本国大使館領事部の発表によると、タイ国内在留邦人数は2008年で約4万4000人。今年の数字は未発表だが、泰日協会学校バンコク日本人学校の今年4月の生徒数が、昨年同月から十数人の減少にとどまったところを見ると、在留邦人数もほとんど変化がなかったのではないだろうか。

 駐在員は労働許可証の取り扱いや帰国後の受け入れ先の調整などで、すぐに帰国することが難しい。そのため人件費や経費の圧縮などで苦境を乗り切ろうと努力する企業が多くみられた。その分、日本からの応援が抑えられ、出張者数が激減している。

 日本人の動きがなかったため、日本人向けアパートを取り巻く環境も変化がなかった。在留邦人数のうちバンコク在住は3万2000人ほどで、その8—9割がスクムビット界隈に居住していると思われる。家族連れが多いことから、求められる部屋の広さは100—250平米。家賃は5000バーツ区切りで分けた場合、4万—7万5000バーツが全体の80%を占める。

 広めスペースの物件はもともと供給が少なく、老巧化で日本人のニーズから落ちていく古いアパートもある。しかも新たに開発されるのは、いずれも30—50平米と狭め。日本人に人気のアパートが限定され、入居は順番待ちという状況が今後も続くかも知れない。

 狭めのアパートばかり建てられるのは、売り手側(デベロッパー)の利益追求による。年々、建設コストは上がり、利益率は下がる一方。平米単価が上がった分、平米数を落とした売りやすい価格設定を求める。相場は平米10万—15万バーツ。これで30—50平米なら、「ある程度の貯えはある」といった中流層にも手が届く。似たような部屋ばかりで借り手が付かずにいても、売れればいいデベロッパーは建て続けることになる。

 この広さの部屋は、アパートだけでなくサービスアパートやホテルでもだぶついている。長期出張者や旅行者が激減したためで、価格競争が繰り広げられている。ただ、広い部屋を必要としない単身や夫婦のニーズがあることも確か。最近、値動きのない一般のアパートから値下がりしたサービスアパートに移る日本人の姿が目立つ。今後、「狭くても新しい方が良い」という小家族の若い世代の駐在が増えてくるとなると、狭めの部屋の需要も出てくるだろう。

 ニーズに合った物件の登場をただ待っていても、なかなか現れない。それなら自ら建ててしまおうと当社が開発に乗り出したのが「Villa Sikhara」だ。スクムビット通りソイ49とトンロー通りソイ25が交わった場所に位置し、サミティヴェート病院までわずか700メートル。「まずはスーパーか病院の近く」という日本人の重要なニーズに合致している。

 88—130平米の2LDKで全64部屋。タイでは見かけないが、日本では良くある造り。すなわちドアを開けるといきなりキッチン(キチネット)とリビングルームではなく、入り口にはまず玄関スペースがあり、最も利用頻度が高いリビングルームとキッチンは日当たりの良い場所に。ベッドルームは就寝のための部屋であることから、リビングルームよりは暗めだ。

 一方で、投資家には家賃収入として、最初の5年は年率6%を保証している。購入価格の30%が返ってくる計算だ。入居者が見つからなければ自腹を切ることになるが、「これまでにないスタイルの物件を購入する」という投資家の不安を払拭することができる。冒険のような試みだが、成功すれば、より日本人のニーズに合った物件を開発するデベロッパーが増え、日本人向けの住宅環境全体がより良くなることを期待している。

 「住みやすい国」として日本人に定評のタイだが、最近は良いことばかりでなくマイナス面も指摘されるようになってきた。そのマイナス面に、「設備もままならず、使い勝手が悪い」住宅事情が含まれることが多い。そのような不便さを改善していくことが、日本人としてタイの不動産業に携わる我々の義務だと思っている。

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SIAM KOTOBUKI Co., Ltd.
住所:23/3, Soi Sukhumvit 35, Sukhumvit Road, Klongton-Nua, Wattana, Bangkok 10110
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Eメール:sales@siamkotobuki.com ウェブサイト:www.siamkotobuki.com
《newsclip》


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