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〈スペシャリストに聞く〉 サミティヴェート・シラチャー病院 パラドン副院長

2010年11月11日(木) 13時40分(タイ時間)

Paradorn Kulkliang M.D.
Assistant Director Samitivej Sriracha Hospital

 シーナカリンウィロート大学医学部卒業後、国立外科医学院で外科を修める。国立病院勤務を経て、サミティヴェート・シラチャー病院の副院長に就任。専門は整形外科で、診察時の使用言語は英語、タイ語。同病院の整形外科(脊椎・頸椎センター:8—20時)は関節専門医、手の外科医、脊髄神経外科医、リハビリ医、理学療法士など15人の専門医が在籍。最新の設備による精度の高い検査と治療を行っている。

——専門の脊柱疾患について

 まず、椎間板ヘルニアについてお話しましょう。椎間板とは、車のヘッドレストに似た形状で、直径約2・5センチ、厚さ約1センチ、首から尾骨までの背骨ひとつひとつの間にある繊維輪です。中央に髄核と呼ばれる半流動性物質を持ち、通常1人当たり23個持っています。繊維輪はゲル状ですが、老化などにより弾力を失い、高齢になると椎間板の衝撃吸収力が低下します。椎間板は神経に近い場所にあるため、髄核が繊維輪をつき破って神経を圧迫すると足や腕に痛みが発生します。これが椎間板ヘルニアです。主な症状はほかに、腰から足にかけての痛みやしびれ、排泄障害などがあります。このような症状に気づいたら、放置せずに医師に相談してください。緊急で手術を要するケースもあるからです。

 そのほか、老化による椎間板の劣化や無理な姿勢が原因で起こる頸椎ヘルニアがあります。頸椎は頭部の重量を受けながら常に動きを伴う部位なので、個人差はありますが全ての人に変形や劣化は起こります。劣化をより早めてしまう危険因子には、血流に悪影響を及ぼす喫煙や、長時間の筆記、パソコン作業、高さのある枕、うつぶせの状態の読書など、不自然な姿勢を長時間続けることが挙げられます。交通事故も頸椎に打撃を与え、椎間板や靱帯の損傷につながります。サッカーのヘディングやアメフトも頭部や頸部へのダメージを与えます。健康によいとされるヨガも、頭を床につけ全体重をかけるポーズは危険です。

——治療法について

 治療の際は、まず椎間板がどの程度神経を圧迫しているかを調べます。医師は症状の進行具合を診断し、治療法を決定します。しびれを感じている場合は重度の圧迫が起きており、緊急手術を要するケースもありますが、一般的に急性期の治療には内服薬と理学療法を用います。理学療法とは超音波、温熱、レーザー、マッサージ、首コルセットなどの物理的手段です。急性期を過ぎ激しい痛みを起こしている場合は手術が必要です。また、生活習慣の改善で効果が望めない場合も手術を勧めます。

——最新の手術事情について

 医学の発展で、負担の少ない最小侵襲の内視鏡手術が普及しました。しかし手術に踏み切る前に、生活習慣や病歴なども合わせて検討する必要があります。

 内視鏡手術の切開創はわずか約2・5センチ。最小侵襲により、術中の出血と術後の痛みを軽減できます。また、最先端の内視鏡により高精度な画像で患部を確認することができ、手術による神経への影響を最小限に抑えることができます。手術の所要時間は2—3時間で、入院は5—7日間。術後はうつむく姿勢や上向く姿勢、そしてハードな運動は避けなければなりませんが、水泳は可能です。

 頸椎ヘルニアの手術は高い安全性で9割以上の成果を上げています。5日程度の入院で日常生活に復帰できます。

——関節疾患と治療法は

 人工膝関節・股関節置換術を行っています。股関節は大腿骨の骨頭(球状)と寛骨臼(かんこつきゅう)で構成されています。寛骨臼とは、骨頭をカバーする座骨のくぼみで、骨頭が回転することで足が様々な方向に動ける仕組みとなっています。股関節に劣化や重度の炎症が見られる患者さんは足の付け根に激しい痛みを感じ、動きに支障が出ます。動作のたびに痛みは増し、鎮痛剤や理学療法も効果がなく、やがて日常生活を送ることが困難になってしまいます。そこまで進行すると、医師は手術を勧めます。

 人工股関節置換術とは、一般的に骨頭と寛骨臼の壊死または劣化した部分を取り除き、人工の関節に置き換える手術法です。骨頭と寛骨臼すべてを置換する手術を全人工股関節置換術、骨頭のみを人工のものと置換する手術を人工骨頭置換術(股関節部分置換術)と呼んでいます。人工骨頭置換術は主に、股関節を骨折した高齢者の治療法として用いられます。

 人口股関節置換術は今世紀に入り、患者さんの痛みを最小限に軽減するために大きく進化しました。切開創の縮小により、早期の日常生活や社会生活への復帰が望めます。

——ありがとうございました

Samitivej Sriracha Hospital
8 Soi Laemket, Jermjompol Road, Sriracha, Chonburi 20110
Tel: 0-3832-0300
Fax: 0-3832-4123
《newsclip》


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