RSS

〈タイ業界事情〉 エコ・ビレッジ (HORSESHOE POINT)

2010年12月10日(金) 13時06分(タイ時間)

 タイ東部リゾートのパタヤで乗馬学校(乗馬クラブ)、リゾートホテル、建売住宅などを経営するホースシューポイントが、「エコ・ビレッジ」プロジェクトを進めている。食物生産、エネルギー開発、廃物処理・再利用など、環境保全・省エネを通して全てを自給自足するという世界的に類のない計画で、2008年末にデンマーク政府の応援を得て開始。今回、世界銀行グループの国際金融公社が視察に訪れ、エコ・ビレッジの実態を探った。ホースシュー・ポイントは敷地内でのプロジェクトを成功させ、村から町へ、町から市へと、広げていきたいとしている。

リゾート施設の自給自足から始まったプロジェクト

 ホースシューポイントの敷地面積は56ヘクタール、30年以上前に乗馬場から始まり、1999年に乗馬学校の開設、2001年にリゾートホテルの開館に至っている。保有馬数は160頭以上で、多くがポルトガル産のルシターノ種。ルシターノは中世理想の馬で、主に闘牛・軍馬として活躍、現代でも馬場馬術の最高峰とされている。

 今回のエコ・ビレッジ・プロジェクトはホースシューポイント内の施設を元に始まった。軽油成分を細胞内に蓄えるアルジェ(軽油産生微細藻)を光合成で増殖させて軽油を搾り出し、燃料を自家生産する。アルジェの搾りかすは発酵によってメタンガスを発生させて発電に利用し、発電された電気はバナジウム電池に蓄電し使用、余剰となった電気は電気会社に売電する。さらに廃物からは有機肥料を作る。また、発電の際に発生したCO2(二酸化炭素)は、光合成に必要な成分としてアルジェの生育に再利用されるので、温暖化ガスの問題も解決される。

 メタンガスは、リゾートホテルや馬場の生ゴミからも発生させ、馬糞も燃料化・肥料化に。もちろん、太陽熱や風力による発電、雨水ろ過による飲料水の確保なども同時に行っている。ほか、敷地内の材木を利用した炭の製造、その過程で発生する蒸気のエネルギー転換、自家製肥料によるオーガニック野菜やフルーツの栽培、米作りなども実施。文字どおり、自給自足システムを構築している。

国際金融公社が視察、プロジェクトを高評価

 ホースシューポイントが進めるエコ・ビレッジ・プロジェクトは、一つ一つを取ってみると、決して珍しいものではない。しかし1カ所で同時に実現させるという試みは、世界的にも類を見ないという。

 今回視察に訪れた国際金融公社の顧問である武市純雄氏は、「アルジェから軽油を搾り出す事業は米国でも行われているが、搾りかすを再利用するところまでには至っていない。それを同時に行うホースシューポイントのアイデアは画期的だ」と話す。軽油は航空燃料の主要成分であり、将来的なエネルギー不足を危ぐする米国は、代替燃料の開発に必死だ。

 日本でも、例えば生ゴミからの有機肥料生産といった事業が行われているが、やはりその部分にとどまっており、ホースシューポイントのような循環型のプロジェクトには発展していない。武市氏は、「このような発想と技術がタイから世界に向けて発信されることに、非常に意義がある」と強調する。

タイのスマートシティ 省エネに向けた意識改革も

 環境保全・省エネを持続的に考慮した成長を目指す「スマートシティ」計画が現在、世界的に注目されている。エコ・ビレッジ・プロジェクトはまさに、スマートシティのコンセプトに合致する。ホースシュー・ポイントのオーナーのチャイキリ氏は、「単なる機器の開発にとどまらず、建物の出入り、電気の入り切りといったところから節約を実践。環境保全・省エネに向けた意識改革を促していきたい」としている。

 チャイキリ氏は日本人に人気のゴルフ場「キアタニカントリークラブ」のオーナーでもあり、所有する土地はホースシューポイントを中心に8平方キロメートル(5000ライ)と広大。同氏は長期的視野のもと、エコ・ビレッジを村から町へ、町から市へと拡大していきたい考えだ。また、このプロジェクトには、Otento (Thailand)など、日系企業も協力している。

Horseshoe%20Point-002.JPG

Horseshoe%20Point-003.JPG

Horseshoe%20Point-004.JPG

HORSESHOE POINT
住所:100 Moo 9, Pong, Banglamung, Chonburi 20150
電話:038-253-500 ファクス:038-253-599
Eメール:info@horseshoepoint.com (川崎) 
ウェブサイト:www.horseshoepoint.com
《newsclip》


新着PR情報