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〈スペシャリストに聞く〉 タイでの脊椎疾患治療

2011年4月24日(日) 11時51分(タイ時間)

チャラット ウィンムーン医師
サミティヴェート病院スクムビット
スポーツ&整形外科センター

Chalat Winmoon, M.SD.
Diplomate of Thai Board of Orthopaedic Surgery

脊椎疾患治療・手術のスペシャリスト。タイ国立マヒドン大学医学部卒業後、オーストラリアA.O.Spine認定医、米国脊椎学会の給費派遣研究員となる。

——先生のご専門、脊椎疾患についてお聞かせ下さい。

 脊椎疾患は脊椎(背骨)が何らかの原因で変形し、それによって脊髄や神経根が圧迫され、腰痛など身体に様々な痛みや不調を起こす病気です。重篤になると足腰にマヒや筋萎縮を起こし、歩行が困難になります。

——腰痛の原因は脊椎の変形ということでしょうか。

 腰痛は筋肉疲労やほかの病気で起きることもよくあります。筋肉疲労の場合は、重い物を持ち上げたり、無理な姿勢を続けることにより、脊椎に付随し椎骨をつなぐ骨格筋(背筋)に過度の負担がかかり、腰痛を起こします。特に、骨が弱い、肥満、喫煙などの要因を持つ方に多く、腰痛で来院される患者さんの多くはこのケースです。また、骨がもろくなり、圧迫骨折しやすい骨粗鬆症も腰痛を起こします。

——脊椎が変形する原因は?

 第一に挙げられるのは加齢です。加齢は脊椎、椎間関節(脊椎を構成する椎骨同士を繋ぐ関節)、椎間板(椎骨の間でクッションの役割を果たす)など、身体の様々な部位を劣化・変形させます。若者は運動中の事故、負傷や転倒による背・腰の強打によって脊椎が変形することが多く、椎骨同士が離れてしまう脊椎分離症や脊椎すべり症の原因となっています。いずれにしても、変形した部位が脊髄神経根を圧迫すると、足腰に痛みやしびれを起こします。

——どのような治療法があるのでしょうか?

 一般的な脊椎症の治療は、まずエックス線やMRIで身体の状態を調べ、痛みの原因を探ります。神経圧迫が軽い状態なら、薬物治療や体重の減量、骨の歪みを矯正するエクササイズなどで経過を見ます。多くの患者さんがこの方法で改善されますが、症状の重い方には硬膜外ステロイド注入や神経を圧迫している椎間板の切除手術、金属を挿入し脊椎を固定する手術などを行います。現在、脊椎手術は大きな発展を遂げており、当院ではコンピュータ支援のナビゲーションシステムという最新の技術を導入しています。そのため、人工椎間板置換術など困難だった脊椎手術の精度が格段に向上しました。多くの神経が集まる脊髄や神経根を傷つけることなく、高い安全性で手術を行うことが出来ます。手術では医療用のスクリューやセメントを用いて、ずれた椎骨を接合したり、骨がもろくなって潰れた部分を除圧したり、神経を圧迫している骨棘(骨の突起)を除去したりします。術後の回復は早く、3—4日ほどで退院できます。 そのほか、ヘルニアには内視鏡手術も可能です。内視鏡手術は切開口がわずか約1・5センチと非常に小さいため、組織の損傷と出血が少なく、身体にかかる負担が小さい手術です。手術時間は1時間以内で、1—2日の入院で帰宅できます。

——人工椎間板置換術とは?

 変形や破損により、充分な役割を果たせなくなった椎間板や椎間関節のかわりに、人工椎間板/人工椎間関節を手術で挿入する治療法です。術後は通常通りの機能に回復し、身体をかがめたり反ったり、左右にひねったりできるようになります。使用金属は、人体に挿入しても拒絶反応を起こさない生体用金属(クロム-コバルト合金)です。脊椎固定手術も同様の金属を使用します。急性の腰痛に悩まされ、薬や整体で改善されない場合は、速やかに整形外科医の診断を仰ぎ、適切な治療を受けることをお勧めします。治療は早いほど効果が出やすく、より早く健康的な生活を取り戻せます。

——ありがとうございました。

サミティヴェート病院スクムビット
住所:133 Sukhumvit 49, Klongtan Nua, Vadhana, Bangkok 10110 Thailand
電話: (66) 2711-8181 日本人相談窓口電話:(66)2711-8122~8124
ファクス: (66)2-711-8125
ウェブサイト:www.samitivejhospitals.com
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