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タイ下院選 与党「タクシンの毒、排除を」 野党「ここの空白に×印を」

2011年6月24日(金) 01時12分(タイ時間)
【タイ】タイの与党民主党は23日午後5時から深夜にかけ、バンコク都心のラチャプラソン交差点で、アピシット首相(民主党党首)、チュワン元首相(党顧問会長)、ステープ副首相(党幹事長)ら党幹部が街頭演説を行い、集まった数千人の聴衆に対し、7月3日のタイ下院選での支持を呼びかけた。懸念された暴力沙汰、爆破テロなどは発生しなかった。

 ラチャプラソン交差点は昨年4、5月、民主党と対立するタクシン元首相支持派のデモ隊に占拠され、治安部隊による強制排除で多数の死傷者が出た上、周辺のショッピングセンターなどが放火された。民主党は下院選で、タクシン派の野党プアタイに対し劣勢と報じられており、因縁のこの場所で街頭演説を行うことで、国民の間にタクシン派にまつわる災厄の記憶を呼び覚まし、選挙戦の流れを引き戻そうと図った。

 アピシット首相らは演説で、金権政治、司法のダブルスタンダード(二重基準)といったタイが抱える諸問題はタクシン政権(2001—2006年)に悪化したと主張。タクシン派デモの死傷者についての責任を否定し、「タクシンの毒」を排除するために下院の過半数が必要だと訴えた。

 一方、プアタイの比例代表名簿1位でタクシン氏の妹のインラク氏は同日、東北部のカラシン県などを遊説した。会場はどこも数千人の支持者で埋まり、インラク氏の人気の高さを印象付けた。

 プアタイはまた、地方の有権者に関する理解度で民主と差があるところを見せた。インラク氏は演壇上に、選挙用紙を幅1メートル、長さ数メートルに拡大した紙を用意し、「ここがプアタイの党名です。ここの白い空白に、こうやって×印を書いてくださいね」と、投票の仕方を丁寧にレクチャー。「みえますか?」「わかりましたか?」とにこやかに語りかけ、歓声を浴びた。
 
 タイではタクシン政権を追放した2006年の軍事クーデター以降、特権階級を中心とする反タクシン派と、地方住民、低所得者層を支持基盤とするタクシン派の抗争が続いている。今回の下院選でタクシン派が政権に復帰しても、軍、司法を握る反タクシン派の妨害で政権運営は難航が必至だ。反タクシン派の民主党政権が続く場合は2009年、2010年同様、タクシン派市民による街頭デモが起きる可能性がある。
《newsclip》


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