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タクシン派政党解党を タイ下院選敗北の与党が告発

2011年7月8日(金) 19時14分(タイ時間)
【タイ】3日のタイ下院選でタクシン元首相派政党プアタイに破れ下野が決まった民主党は8日、プアタイを政党法違反でタイ選挙委員会に告発した。有罪の場合、プアタイは解党され、党役員は5年間の参政権停止処分を受ける。反タクシン派の反撃が早くも始まった形だが、こうした事態を想定してか、プアタイの比例代表名簿1位で近く首相に就任する見通しのインラク・チナワット氏ら党幹部の多くは党役員になっておらず、タクシン派はプアタイが解党処分を受けても、党所属の下院議員を別の政党に移籍させ、政権を維持できる見通しだ。

 民主党はインラク氏の兄のタクシン元首相、義兄のソムチャーイ前首相、ジャトゥロン元副首相といった参政権停止中の人物がプアタイの選挙活動に加わったと主張。タクシン氏の写真が選挙ポスターに使われたり、ソムチャーイ氏らが街頭演説に参加するなど、違反は明らかだとしている。

 選挙委は違反があったと判断した場合、プアタイの解党を憲法裁判所に要請する。判決までには数カ月かかると予想される。

 タイではタクシン政権(2001—2006年)を追放した2006年の軍事クーデター以降、特権階級を中心とする反タクシン派と、地方住民、中低所得者層が多いタクシン派の抗争が続いている。初代のタクシン派政党タイラックタイはクーデター政権下の2007年に選挙違反で解党され、タクシン元首相、ジャトゥロン元副首相ら党役員111人が5年間の参政権停止処分を受けた。その後結成された2代目のタクシン派政党パランプラチャーションは2007年末に行われた総選挙で第1党となり政権に復帰したが、2008年に反タクシン派市民による首相府とバンコクの2空港の占拠で追い詰められ、同年末、「司法クーデター」と呼ばれた憲法裁による解党命令で政権を失った。判決理由は選挙違反で、ソムチャーイ前首相はこのときに参政権停止処分を受けた。判決後、タイ軍基地内での密談でタクシン派の一部が反タクシン派の民主党側に寝返り、アピシット民主党連立政権が発足した。

 タクシン派は昨年、数千—数万人のデモ隊でバンコク都心部を長期間占拠し、アピシット政権に退陣を迫ったが、政府はデモを武力鎮圧して危機を切り抜けた。デモ隊と治安部隊の衝突による死者は91人、負傷者は1400人以上に上る。同年11、12月、政党交付金の使途違反と裏口献金疑惑で民主党の解党を求めた裁判で、憲法裁は訴追手続きのミスを理由に訴えを2件とも棄却。司法のダブルスタンダード(二重基準)としてタクシン派が反発を強めた。

 アピシット政権は任期満了まで半年以上残した今年5月に下院を解散、総選挙に踏み切り、プアタイが500議席中265議席を獲得し圧勝、民主は159議席に終わった。
《newsclip》


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