RSS

「DTACは外国企業」 タイ副商務相が告発指示、政権交代控え官僚は模様眺め

2011年7月12日(火) 11時29分(タイ時間)
【タイ】タイの大手財閥CPグループ傘下のタイ携帯電話キャリア3位トゥルームーブが同業2位トータル・アクセス・コミュニケーション(DTAC)の外資出資比率が外国人事業法で定められた上限の49%を上回っているとして、タイ当局に調査を求めた問題で、アロンコン副商務相は8日、DTACは(外資出資比率51%以上の)外国企業だとして、調査を担当した商務省に対し、警察に告発するよう指示した。ただ、商務省のバンヨン商業振興局長は11日、「DTACが外国企業なのかどうかははっきりしない」と述べ、調査結果を警察に送付するだけにとどめる考えを示した。

 タイ当局の動きに対し、DTACは11日、「タイの法令を全て順守している」「調査が差別的でなく、公正、透明であれば、当局に喜んで協力する」などとする声明を出した。

 タイでは今月3日に総選挙が行われ、タクシン元首相派の野党が勝利した。官僚組織は政権交代を前に重大な判断に加担することを避けるとみられ、DTACをめぐる問題は次期政権に持ち越される見通しだ。

 DATCは2001年にノルウェー通信大手テレノールの出資を受け、テレノールが経営権を握っている。トゥルームーブによると、DTACはタイ証券取引所(SET)への報告でテレノールの出資比率を49%としているが、タイ下院通信委員会が4月21日にまとめた報告ではDTACへの外資出資比率は71・4%となっている。また、ノルウェーとシンガポールの証券取引所への報告ではテレノールのDTACへの出資比率は66・5%になっているという。テレノールのホームページには昨年3月末時点で同社がDTACに65・5%の「エコノミック・インタレスト」を持つと記載してある。

 DTACは昨年12月にトゥルームーブとタイ国営通信会社CATテレコムが結んだ携帯電話の合弁事業契約を違法だとして訴えており、トゥルームーブによるDTACの告発はその報復とみられている。

 タイ政府は製造業などを除く多くの事業分野で外資の出資比率を49%以下に制限している。規制をかいくぐるため、株主としてタイ人、タイ企業の名義を借りて事業を行う外資系企業も多く、タイの携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)も実質的にはシンガポール政府資本傘下だ。タイ政府は長年こうした手法を黙認してきたが、国内で民族主義的な動きや、外資締め出しを図る地場資本の働きかけが強まると、こうした「タイ企業のふりをした外国企業」の違法性を問う声が上がる。ただ、この問題を本格的に追及すると、膨大な数の企業の活動に影響が出ると予想され、これまでのところ、タイ政府による追及の動きは毎回立ち消えとなった。
《newsclip》


新着PR情報