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タイ皇太子、専用機差し押さえで保証金立て替え表明

2011年8月2日(火) 02時01分(タイ時間)
【タイ】経営破たんしたドイツの建設会社ウォルターバウに対するタイ政府の賠償金不払いにより、ミュンヘン空港に駐機していたワチラロンコン・タイ皇太子の専用機(ボーイング737型機)がドイツの裁判所命令で差し押さえられた問題で、皇太子の事務局は1日、差し押さえ解除に必要な保証金2000万ユーロを皇太子が自費で立て替えると発表した。皇太子自身はこの問題に無関係だが、タイ独関係への影響や自身の名誉などを考慮したという。

 7月22日に駐タイ・ドイツ大使館のホームページに掲載されたプレスリリースによると、ウォルターバウは1980年代に、バンコクと郊外のドンムアン空港を結ぶ自動車専用道路ドンムアントールウェイの建設に携わったが、タイ政府の度重なる契約違反で損失を被った。ウォルターバウの破産管財人は2005年、タイ政府に賠償金の支払いを求める国際仲裁手続きを開始し、2009年、タイ政府に3600万ユーロの支払いを命じる最終判断が下った。しかしタイ政府はその後も支払いに応じず、7月12日、ドイツ地裁の命令により、皇太子専用機が差し押さえられた。プレスリリースは「問題の早期解決はドイツとその他の外国人投資家のタイへの信頼を回復させ、独タイ関係の発展に前向きなメッセージを送ることになる」と結ばれていた。

 皇太子機の差し押さえという事態を受け、タイのカシット外相は7月15日にドイツ入りし、同国のコルネリア・ピーパー外務省国務大臣と会談したが、ドイツ側は司法に介入出来ないと説明し、話し合いは平行線をたどった。

 タイ政府は賠償金の問題について、「依然係争中」(アピシット首相)という認識を示し、「タイ政府と民間投資家の係争であり、タイ皇太子とドイツ政府は無関係」「ドイツ政府がこのようなプレスリリースを発表したことは、不要で不適当で、非常に遺憾である」(タイ外務省)と強い調子で非難した。また、差し押さえられた機は2007年にタイ空軍が皇太子にプレゼントしたもので政府の所有物ではないと主張し、「皇太子の名誉を守り、迅速に差し押さえ解除を実現する」(タイ外務省)と無条件での返還を要求している。

 ドイツの地裁は7月20日、保証金2000万ユーロと引き換えに差し押さえを解除する決定を下したが、タイ政府は支払いを拒否。ジュラシン・タイ検事総長によると、皇太子はタイの国民感情に懸念を示し、タイ政府に保証金を支払わないよう求めたという。差し押さえに関する独裁判所の最終判断は8月中に下る見通しだ。

 一方、この問題で、タクシン元タイ首相の顧問弁護士でカナダ人のロバート・アムスタダム氏は7月17日、自身のウェブサイトに声明を出し、差し押さえに関与したといううわさを否定した。アムスタダム氏は「事実無根の極めてばかげたうわさだ」と述べ、タイの政治を牛耳る反民主主義的な勢力がうわさの出元と断じた。
《newsclip》


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