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タイ下院、タクシン氏妹を首相に指名

2011年8月4日(木) 22時37分(タイ時間)
【タイ】タイの議会下院(定数500)は5日、首相指名投票を行い、タクシン・チナワット元首相(62)の妹でタクシン派政党プアタイのインラク・チナワット氏(44)を賛成296票で首相に選出した。インラク氏はプミポン国王の承認を受け、首相に就任する。タイの首相に女性が就くのは初めて。

 インラク氏は政治経験がほとんどなかったが、公職追放処分と汚職で有罪判決を受け国外滞在中のタクシン氏が7月3日の下院総選挙を前にプアタイの比例代表1位に抜てきした。インラク氏は選挙戦でタクシン氏譲りのカリスマ性を見せ旋風を巻き起こし、プアタイは総選挙で過半数を獲得、政権与党の民主党を大差で破り、政権に復帰した。

 タクシン派は2006年に軍事クーデター、2008年には司法判断により、政権を追われたが、2001年以降、選挙では連戦連勝中だ。ただ、特権階級を中心とする反タクシン派は反王室的な色合いが強いタクシン派に対する警戒を緩めておらず、インラク政権発足後も、軍、司法などを通じ、タクシン派潰しに動くとみられる。

 インラク内閣の経済政策の鍵を握る財務相にはティーラチャイ・タイ証券取引委員会事務局長(59)、反タクシン派の軍との交渉役となる国防相にはユタサク元国防次官(74)が有力視されている。ティーラチャイ氏は英ロンドン大学経済学部卒。タイ中央銀行副総裁を経て、2003年から証取委事務局長。5日付で証取委に辞表を出した。

〈インラク・チナワット〉
 1967年生まれで、9人兄弟の末っ子。タイ国立チェンマイ大学政治・行政学部卒、米ケンタッキー州立大学経営学修士。兄のタクシン氏が創業したタイ携帯電話サービス最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)、チナワット財閥の不動産会社SCアセットなどの社長を務めた。政治経験はほとんどない。事実婚で子供が1人いる。

〈タクシン・チナワット〉
 1949年、タイ北部チェンマイ生まれの客家系華人。中国名は丘達新。警察士官学校を卒業後、米国に国費留学し、刑法学博士号を取得。帰国後、警察に勤務するかたわら、官公庁へのコンピュータリース、不動産開発などを手がけ、1987年に警察中佐で退職。その後、携帯電話サービス、通信衛星などを展開するタイ通信最大手シン・グループを育て上げた。
 1995年に政界に転じ、1998年に政党を設立。地方、貧困層へのばらまき政策を掲げ2001年の総選挙で大勝し首相。2005年2月の総選挙も圧勝、首相に再選されたが、2006年9月の軍事クーデターで失脚し、公職追放処分を受けた。2007年末の総選挙でタクシン派が勝利したため、2008年2月に帰国。8月に出国し、不在中の10月、首相在任中に妻が国有地を競売で購入したことで懲役2年の実刑判決を受けた。その後はタイに帰国せず、主にドバイに滞在している。
 タクシン派与党は2008年12月に選挙違反で解党され、これに伴い、タクシン派政権からネーウィン元首相府相派と中小連立4党が野党・民主党に寝返り、民主党連立政権が誕生した。
 チナワット家のタイ国内の資産約760億バーツはクーデター後に凍結され、タイ最高裁が2010年2月26日、不正蓄財だとして、このうち464億バーツの国庫没収を命じた。

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ティーラチャイ氏

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ユタサク氏
《newsclip》


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