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DTAC、バンコク周辺で3G始動 事業権問題は未解決

2011年8月16日(火) 14時16分(タイ時間)
【タイ】ノルウェー通信大手テレノール傘下のタイ携帯電話キャリア2位トータル・アクセス・コミュニケーション(DTAC)は16日、HSPA方式の第3世代携帯電話(3G)サービスをバンコク周辺で開始した。基地局は現在240カ所で、2012年中に2000カ所、40都県以上に増やす計画だ。

 DTACに携帯電話事業権を付与しているタイ国営通信会社CATテレコムは15日、DTACの事業権に3Gは含まれていないとして、タイ放送通信委員会や行政裁判所に事業の差し止めを求める考えを示した。

 タイの通信業界ではCATと固定電話大手TOTという国営2社と、両社のいずれかから事業権を取得したDTAC、携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)、同業3位トゥルームーブなどの民間企業が事業を行っている。こうしたいびつな市場構造を改め平等な競争条件を整えるため、電気通信事業の許認可権を持つタイ国家通信委員会(NTC)が設立されたが、2006年のクーデターや翌年の憲法改正といった政局混乱と利権争いで、同委はほとんど機能せず、民間が求める3G事業権の入札は大幅にずれ込んでいる。国会は昨年、NTCの後継機関で放送・電気通信事業の許認可権を持つタイ国家放送通信委員会(NBTC)の設立法案を承認。NTCからNBTCに権限が委譲されたが、委員の選出がまだで、タイの通信行政は足踏みが続いている。
 
 自由競争下では存続が困難とみられるCATとTOTは民間が3Gに本格参入できない中、自社が持つ3G事業権を利用し生き残りを模索している。CATは昨年末にトゥルームーブと合弁契約を結び、今年7月、一部地域でHSPA方式の3Gサービスを開始した。TOTは自社で3G網を構築し、MVNO(仮想移動体サービス事業者)に貸し出す戦略を進めている。一方、DTACと同様の事業権問題を抱えるAISは7月末に一部地域でHSPA方式のサービスを開始した。

 携帯電話大手3社のうち唯一国内資本のトゥルームーブが国営のCATと結び有利な立場に立ったことに対し、DTACは「官民合弁事業に関する法律違反」「透明性を欠く」などとして、合弁事業契約の破棄を求める裁判を起こしている。これに対しトゥルーはDTACの外資出資比率が外国人事業法で定められた上限の49%を上回っていると告発。3Gをめぐる混乱は外資対国内資本という場外戦も引き起こしている。
《newsclip》


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