RSS

不敬罪でまた実刑 タクシン派男性に懲役7年半

2012年2月28日(火) 21時48分(タイ時間)
【タイ】2010年にバンコクやタイ北部チェンマイなどで開かれたタクシン元首相支持派の集会でタイ王室を批判する演説を行ったとして、元タイ共産党員でタクシン派団体「デーンサヤーム(レッドサイアム)」指導者のタイ人男性(70)が不敬罪に問われた裁判で、一審のタイ刑事裁判所は28日、被告に懲役7年6カ月の実刑判決を下した。男性は控訴せず、プミポン国王に恩赦を求める方針。男性は昨年2月に逮捕され、保釈が認められないまま、こう留されている。

 人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部ニューヨーク)は24日、不敬罪容疑で逮捕されたタクシン派12人全員が保釈を認められていない一方、同じ容疑で起訴された反タクシン派幹部は即日保釈され、一度もこう留されていないと指摘。タクシン派への保釈拒否は法的理由というより処罰とみられるとして、タイの裁判所を批判した。

 不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役刑が科される。特権階級を中心とする反タクシン派と反王室のイメージが強いタクシン派の政治抗争が激化する中、不敬罪は頻繁に適用されるようになり、昨年11月には、携帯電話で王室を批判するショートメッセージ4通を送信したとして、61歳のタイ人男性が懲役20年、同12月には、タイ国内で発禁となっている米国人ジャーナリストによるプミポン国王の評伝の一部をタイ語に訳して自分のブログに掲載したタイ系米国人男性(55)が懲役2年6カ月の実刑判決を受けた。

 不敬罪による投獄が相次いでいることについては昨年12月、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のシャムダサニ報道官代行が「このような厳しい刑罰は不要で不相応であり、国際的な人権保護義務に違反している」と警告し、タイ政府に法改正を要望。ケニー駐タイ米国大使も簡易ブログのツイッターに「国際的な表現の自由の基準にそぐわない」と批判した。

 こうした中、一部の学識者グループが不敬罪の改正を求める活動を始めたが、反タクシン派の軍幹部や野党、王党派団体などは改正反対を表明。昨年8月に発足したタクシン派インラク政権はこの問題で反タクシン派を刺激することを避け、不敬罪改正に反対の立場をとっている。
《newsclip》


新着PR情報