RSS

不敬罪改正運動の大学講師殴打 タイの右派双子に懲役3カ月

2012年3月9日(金) 10時00分(タイ時間)
【タイ】タイのテレビ報道によると、不敬罪改正を訴える学識者グループのリーダーでタイ国立タマサート大学法学部講師のウォンジェート・パーキーラットさんが先月29日、バンコク都内のタマサート大学の構内で双子の兄弟(30)に顔を殴られけがをした事件で、タイ地裁は8日、兄弟に懲役3カ月の実刑判決を言い渡した。1人は銃刀法違反で別に7カ月の刑を受けた。

 兄弟は事件翌日に警察に自首し、不敬罪改正の動きに反発し、ウォンジェートさんを襲ったと供述した。兄弟は不敬罪改正に反対するグループのメンバーと自称。1人は両腕と胸、1人は両腕に刺青を入れ、ライフルやけん銃の練習を行なっている写真も公開された。

 この事件について英字紙ネーションは、インターネット上で右派が兄弟の行動に賛辞を送っていることを取り上げ、過去数十年にわたる主要メディアの報道と学校教育で王室に対する見方、考え方が固定化されたと指摘。異なる考えを受け入れる社会を築かない限り、真の民主化は達成できないと主張した。

 不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役刑が科される。特権階級を中心とする反タクシン元首相派と反王室のイメージが強いタクシン派の政治抗争が激化する中、不敬罪は頻繁に適用されるようになり、先月28日にも、タクシン派集会で王室を批判したとして、タイ人男性(70)に懲役7年6カ月の実刑判決が下った。

 不敬罪による投獄が相次いでいることについては昨年12月、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のシャムダサニ報道官代行が「このような厳しい刑罰は不要で不相応であり、国際的な人権保護義務に違反している」と警告し、タイ政府に法改正を要望。ケニー駐タイ米国大使も簡易ブログのツイッターに「国際的な表現の自由の基準にそぐわない」と批判し、タイの右派から猛反発を受けた。

 ウォンジェートさんらはこうした中、不敬罪の改正を求める署名活動を始めたが、反タクシン派の軍幹部や野党、右派団体などは改正反対を表明。昨年8月に発足したタクシン派インラク政権はこの問題で反タクシン派を刺激することを避け、不敬罪改正に反対の立場をとっている。
《newsclip》


新着PR情報