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右派団体PADが集会、改憲反対の街頭デモ見送り

2012年3月11日(日) 23時31分(タイ時間)
【タイ】右派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」は10日、タクシン元首相派が進める憲法改正に反対する数百人規模の集会をバンコク都内のルムピニ公園で開いた。PAD幹部は集会で、改憲が王室に関する条文の改正やタクシン元首相の恩赦を含む場合は街頭デモに乗り出す方針を示した。

 PADはタクシン元首相と対立する特権階級のフロント組織とみられ、王室守護、タクシン派の追放を掲げている。2006年には大規模な街頭デモで当時のタクシン政権を窮地に追いやり、同年9月の軍事クーデターを呼び込んだ。2008年にはタイ首相府とバンコクの2空港を占拠し、タクシン派政権を実質的な機能停止に追い込んだ。2011年7月の総選挙では同じ反タクシン派の民主党政権に反対して投票ボイコットを呼びかけ、支持者の多くが民主党につき、影響力が低下した。2011年8月にタクシン派インラク政権が発足してからは目立った動きを見せていなかったが、今年1月に集会を開き、PAD創始者で実業家のソンティ氏がタイ軍に対し、クーデターで権力を完全掌握するよう呼びかけた。

 タイの現行憲法は2006年のクーデター後、特権階級・軍が作成したもので、約半数が任命制の上院や独立機関を通じ、特権階級・軍が政治に影響力を持つ内容。タクシン派はは特権階級・軍の影響力排除に向け改憲に動き出し、今年2月、新憲法案を起草する憲法起草議会の設立法案が上下両院の第1読会を通過した。

〈民主主義のための市民同盟(PAD)〉
 タクシン政権(2001—2006年)当時の2005年に中国系2世のタイ人実業家ソンティ氏が設立。タクシン氏の王室への不敬、汚職疑惑などを糾弾し、2006年に数万人規模の街頭デモをバンコクで連続開催、政治機能を麻ひさせ、同年9月の軍事クーデターによるタクシン政権追放を呼び込んだ。
 2007年末の総選挙でタクシン派が政権に復帰したことから活動を再開し、2008年8月から同年12月まで首相官邸にあたるタイ首相府を数千人で占拠。11月下旬からバンコクの2空港も占拠し、タイの空路交通を遮断した。空港占拠中の12月に憲法裁判所がタクシン派与党を解党、反タクシン派の民主党を中心とするアピシット政権が発足したことから活動を停止した。
 2011年になり、カンボジアとの国境紛争への対応などを理由にアピシット政権への対立姿勢を明確にし、1月下旬からタイ首相府前で座り込みの反政府デモを開始。2008年同様、クーデターによる政権打倒を支持するなど、一部特権階級の代弁者的な主張を行った。同年7月の総選挙では投票ボイコットを呼びかけた。
 PADはタクシン氏の権力拡大や民主主義の浸透を危ぐした特権階級の影響下にあるとみられる。タイ王室の支持を受けていると主張し、シンボルカラーはプミポン国王の誕生日の色である黄色。2008年10月にPADのデモ隊が国会議事堂周辺で警官隊と衝突し、支持者の女性が死亡した際には、シリキット王妃が葬儀を主宰した。
《newsclip》


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