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タイ・クーデターの真相は? 「誰もが知っている」

2012年3月26日(月) 00時36分(タイ時間)
【タイ】タクシン政権を追放した2006年の軍事クーデター。このクーデターを指揮した当時の陸軍司令官、ソンティ・ブンヤラカリン氏(退役陸軍大将、66)に対し、政界の大ベテランであるサナン・カジョンプラサート氏(退役陸軍少将、76)が21日、クーデターの真相、黒幕を明かすよう迫り、物議を醸している。ソンティ氏は「死んでも答えられない質問がある」と答えを避けたが、22日、記者団に対し、「誰もが真相を知っている」「過去にこだわれば亀裂が深まるだけだ」と述べた。

 ソンティ氏は2006年9月19日、タクシン首相(当時)の外遊中に陸軍部隊をバンコクに送り込み、首相府やテレビ局などを制圧、憲法を停止して全権を掌握した。同日中にプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官、91)同席のもと、プミポン国王(ラマ9世)夫妻に面会。その後、元上司であるスラユット枢密顧問官(元陸軍司令官、68)を首相に据えて自らは表舞台から徐々に身を引き、2007年に陸軍を定年退官した。以降、目立った動きを見せていなかったが、昨年の下院総選挙にイスラム系小政党の党首として出馬し、当選。タクシン派が多数を占める下院で、タクシン派と反タクシン派の和解を模索する国家和解検討委員会の委員長に就任し、タクシン派に寝返ったという見方も浮上していた。

 サナン氏は昨年の総選挙で過半数を獲得したタクシン派与党プアタイと連立政権を組むチャートタイパタナー党の顧問会長。国外逃亡中のタクシン元首相と欧州で何度か会ったといううわさがあり、タクシン派と反タクシン派の和解の仲介に熱意を示している。

 今回の騒動について、反タクシン派の保守派政党、民主党を率いるアピシット前首相は「真実を明らかにしなければ和解などない」として、ソンティ氏に真相を明かすよう要求。タクシン派の一部がクーデターの黒幕とみなすプレム枢密院議長も側近を通じ、ソンティ氏に事実を公にするよう求めたという。

 タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と、旧来の支配層を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治・社会が混乱している。タクシン派は2006年のクーデターと同派解党を命じた2008年の司法判断で、2度、政権を追われたが、総選挙では2001年、2005年、2007年、2011年と4連勝中だ。両派の抗争については、新興財閥と旧来の支配層との権力闘争が、民主化勢力と旧来の支配層の対立に深化したという見方もある。
《newsclip》


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