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〈スペシャリストに聞く〉 コーシン・タップウォン医師

2012年4月13日(金) 12時03分(タイ時間)

Dr. Kosin Thupvong M.D., FACS

心臓胸部外科 ダイレクター

 1964年マヒドン大学医学部(シリラート病院)卒業後、米国へ留学。聖フランシス病院(ペンシルベニア州ピッツバーグ市)一般外科、胸部・心臓血管外科の研修医を経て、76年に米国胸部外科学会の認定医となる。2010年の帰国後から、心臓胸部の専門医としてバンコク心臓病院に勤務。診察時の言語は英語とタイ語。

——両国の心臓胸部外科での経験から、アメリカ人とタイ人に違いは見られましたか?

 アメリカ人男性は、心臓・胸部疾患の危険因子が食習慣にあります。コレステロール値を高める食事によって、心血管と頸部血管が詰まりやすくなる傾向があります。アメリカ人患者の男女比は6対4です。しかし帰国後、同様の危険因子を抱えているタイ人が多く、魚をよく食べるはずの日本人にも増えていることに驚きました。

——現代の食生活が原因でしょうか。

 魚から肉中心の食生活へ変わったためでしょう。1日1箱以上の喫煙や、重いストレスなど、生活習慣も危険要因です。私は帰国後からこれまでに6件の日本人の手術を担当しましたが、そのほかに1件、緊急手術をすることになっていた患者さんがいました。県外で発作を起こした患者さんで、バンコクへ搬送されましたが、手術室に入る前に亡くなりました。このことからも、30歳以上の方は心臓と血管、コレステロール値を検査して、心臓病の予防に努めてください。病状が進行すると治療が困難になる場合が多く、さらに患者さんの30%以上は、自覚症状のないまま突然の発作などで命を落とす危険があるからです。

——具体的にはどんな病気が多いのでしょうか。

 タイ国内では虚血性心疾患の患者さんが増えています。心臓は体内で最も重要な役割を担っている臓器の一つです。生命を宿した瞬間から命が尽きる最期まで、ポンプのように収縮を繰り返し、血管を使ってエネルギー源や酸素を身体の各部に送り届けます。

——虚血性心疾患について詳しくご説明ください。

 心臓をとりまく冠動脈の十分な血流によって、心筋は酸素を受け取り栄養とします。ところが、動脈瘤やコレステロールが原因の血栓によって血管に狭窄が起こると心筋が虚血状態になり、心臓が十分に収縮しなくなります。虚血性心疾患とは、心筋が虚血状態になって起こる病気の総称で、代表的なものには狭心症と心筋梗塞があります。狭心症とは、血管狭窄によって胸の痛みや圧迫感などの症状があらわれることで、血管が完全に閉塞して血流が途絶え、心筋が壊死してしまうのが心筋梗塞です。体内の臓器に血液を送れなくなれば、生命を維持することは不可能です。

 虚血性心疾患の多くは、糖尿病や高脂血症、喫煙、ファストフードや脂肪分の多い食事を継続的に摂るなど、食習慣が主な原因です。

——治療について。

 バルーンによる血管形成かステント留置による拡張、あるいはバイパス手術などがあります。医師の診断と患者さんの希望によって決定します。大動脈に瘤がある場合は、破裂すると命に関わるため大変危険です。冠動脈と頸部血管の病気は、脳疾患の原因になることもなります。

——脳に血液が送られなくなるからでしょうか。

 脳血管疾患の原因の30%以上を占めるのが頸動脈狭窄です。頸動脈は内頸動脈と外頸動脈の2本に分岐し、それぞれ脳と顔面に血液を送る重要な役割を持っています。ところが、コレステロールやカルシウムが沈着してできたプラークと呼ばれる瘤が頸動脈を詰まらせることがあります。すると脳への血液と酸素の供給が滞り、やがては脳梗塞を引き起こし身体に麻痺症状が起こります。頸動脈狭窄症の危険因子は、肥満、高血圧、高脂血症、不整脈、糖尿病、喫煙です。

——予防にはどのような検査が有効ですか?

 頸部のエコー検査、CATスキャン(CTスキャン)、MRA(磁気共鳴血管画像)などがあります。治療法は、動脈の中の病変を除去し、心臓から脳への血流を正常に戻します。一度手術したにも関わらず再び狭窄したケースや放射線治療後に狭窄したケース、またはガン患者や高齢者にはステント留置術が適しています。

 当院では6月30日まで、在タイ日本人の皆様に特別価格で検査キャンペーンを実施しています。詳細は電話(02)310-3257まで日本語でお問い合わせください。

——ありがとうございました。

《キャンペーン価格》
頸動脈エコー検査: 3700B(通常4200B)
脳・頸動脈・心臓 256列マルチCTスキャン: 1万8000B(通常2万6500B)

バンコク病院 日本人専門クリニック(JMS)
2 Soi Soonvijai 7, New Petchburi Rd., Bangkok 10310
Tel: 66-2310-3257 Fax: 66-2755-1257
E-mail : jpn@bgh.co.th URL:www.bangkokhospital.com
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