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タイ民族の本当の夜明けはいつ? 「スコータイ」

2012年4月20日(金) 17時28分(タイ時間)

 タイ民族の夜明けとされるスコータイ王朝(1238~1448年)。スコータイ歴史公園を中心に、200とも300ともいわれる遺跡が残る。「古代都市スコータイと周辺の古代都市群  文化遺産/1991」として、ユネスコの世界遺産に指定されている。

 タイでは一般的に、現在の中国雲南省辺りに7~10世紀に栄えた南詔国をタイ人の祖先とし、モンゴルの攻撃から逃れるために南下、スコータイを築いたと言われている。しかしこれはナショナリズム高揚のために19世紀末から20世紀末に作られたストーリーで、言語学的に見ると現在のベトナムと中国の国境辺りからの西(南西)向きの移動だったようだ。

 スコータイの雨期は木々や稲の鮮やかな緑に囲まれ、乾期は荒涼とした地にたたずむラテライトの遺跡は、日本人に「侘び寂び」を感じさせる。しかし廃墟となる前は、タイの典型的なきらびやかな寺院だった。

 シーインタラーティット王からマハータンマラーチャー4世まで9代続いたとされる王は、第33代のラムカムヘン大王、第6代のリタイ王以外、実在が証明されていないという。そのラムカムヘン大王が遺したとされる碑文は2003年、ユネスコの「世界の記憶」に登録されたが、スコータイ時代に刻まれたという証拠はない。

 英国やフランスなどの列強諸国から領土喪失(植民地化)の脅威を受けていた19世紀、当時のラマ4世がタイの文明の高さを内外に誇示するため、碑文を捏造したものだともいわれる。スコータイ王朝は歴史的な事実というよりはむしろ、民族的な誇りによって語り継がれている。

■人口:60万4000人(2008年12月、内務省自治局)。人口59万2000人の鳥取県(日本最少)ほど(2009年6月、県ウェブサイト)
■面積:6596平方キロメートル(県ウェブサイト)。面積6708平方キロメートルの島根県ほど(県ウェブサイト)
■バンコクから427キロ(タイ道路協会)
《newsclip》