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元タクシン与党幹部111人、月末で参政権回復 タイ政局に波紋

2012年5月10日(木) 13時08分(タイ時間)
【タイ】軍事政権下の2007年に解党されたタクシン元首相派政党タイラックタイの元役員111人に対する5年間の参政権停止処分が今月30日で解除される。111人にはネーウィン元首相府相、スワット元副首相、スダーラット元保健相ら、タクシン政権(2001—2006年)を支えた有力政治家が多く含まれ、こうした「大物」が大挙して政界に復帰することで、大きな波紋を呼ぶ見通しだ。

 タクシン氏の妹のインラク氏が首相を務める現内閣には、111人の家族、側近らが多数入閣している。政府は大物の現場復帰を受け、こうした操り人形的なポストの一部を本人に交代させるとみられる。

 111人の一部は引退、一部は2008年末の政変で反タクシン派陣営に鞍替えしており、タクシン派与党プアタイに参加するのは50—60人と予想される。このうち数人は今月、中国でタクシン氏と落ち合い、タクシン氏に入閣、党ポストなどを要請するとみられる。

 111人の中の反タクシン派に寝返った派閥にも、野党暮らしを嫌い、与党・タクシン派への復帰を模索する動きがみられる。ただ、寝返りを画策した張本人とされるネーウィン元首相府相率いる野党プームジャイタイ党については、タクシン派内にネーウィン氏への反発が強く、連立政権への受け入れは困難とみられている。

 タイでは過去数年、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と特権階級を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治・社会が混乱している。反タクシン派はタクシン氏を反王室、腐敗政治家と糾弾。一方のタクシン派は特権階級が軍官財界を動かし民主主義や法治をねじまげていると主張している。タクシン派は2006年のクーデターと同派解党を命じた2008年の司法判断で、2度、政権を追われたが、総選挙では2001年、2005年、2007年、2011年と4連勝中だ。激しい政争の中、2006年、2008年には反タクシン派、2009年、2010年にはタクシン派による大規模なデモがあり、2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、市民、兵士ら91人が死亡、1400人以上が負傷した。
《newsclip》


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