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〈日本人医師に聞く〉 タイで健康診断  仲地省吾 医師

2012年6月22日(金) 15時39分(タイ時間)

——タイで健康診断を受ける日本人は?

 駐在員とその家族の方が大多数を占めます。勤務先からの指示による、年1—2回の頻度による健康診断がほとんどです。

 そのほかには、こちらで起業された日本人の方など、個人的に受けられる方も見かけます。健康に気を配った自発的な診断です。男性が過半数を占め、年齢的には30代から50代が中心です。

——健康診断の意義というのは?

 日本にいてもタイにいても健康管理が大切なことは変わりなく、かかる病気も国によって異なるということはありません。自覚症状がないから健康診断を受けるわけです。生活習慣病から悪性腫瘍まで、どんな病気がいつ見つか分かりません。健康診断に訪れる方の多くは中年ですが、肥満、血糖値や血圧の異常、高脂血症や脂肪肝など、不健康な生活によって起こる病気はいくらでもあります。

 日本では厚生労働省によって企業内での健康診断が義務付けられおり、タイでも同様の規則があります。特にタイ進出の日系企業は、日本でいう人間ドック並みの内容を健康診断として受けることが多く、恵まれた環境だといえます。

——やはりいろいろな異常が見つかるのでしょうか?

 もちろん見つかりますが、その全てで早急な治療が必要というわけでもありません。多くの方の場合、食べ過ぎ、アルコール摂取過多、喫煙、運動不足などから来る数値の異常ですので、規則正しい生活を心がければある程度、健康な体を取り戻せます。

 しかし、実はそこに問題があります。健康診断で異常が見つかったからといって、すぐに規則正しい生活を心がける人はほとんどいません。「食生活を改善して、運動もして、来年の健康診断までに健康な体を取り戻します」と宣言しても、結果は以前のものと変わらず、というパターンが大多数です。

 中には薬による治療が必要な方もいらっしゃいますが、健康診断を受けるぐらいだから自覚症状がない、自覚していてもまだ大丈夫と判断しているなど、治療にすぐには同意しない方も少なくありません。結局、健康診断には来ているだけで体は悪いまま、となってしまっています。

——健康診断を有意義なものにするために心構えも必要だと?

 個人個人の意志も大切ですが、社員に健康診断を受けさせる企業の役割もあります。毎日接待、毎日付き合い、アルコールにタバコ、食生活は乱れ、運動する時間も場所もない、という駐在員の方がほとんどでしょう。歩くこともなし、週1回程度のゴルフだけでは、運動としては不十分です。

 必要なのは社員が健康管理を実践できる機会の提供です。それは就業後の行動に対してのアドバイスであったり、運動が可能なスペースの確保だったりと、さまざまでしょう。

 駐在員と比較して、その奥様方は非常に健康的です。食事に気を使い、適度な運動を行う時間もあるからでしょう。健康状態の差は歴然、寿命で例えるなら10年は違ってきます。真の健康管理を心がけてください。

——ありがとうございました

仲地省吾 医師
 1956年沖縄県生まれ。1982年に山口大学医学部を卒業後、2001年まで同県宇部市の宇部協立病院で内科一般、消化器科の専門医として勤務する。2002年2月にパキスタン・ペシャワールのメディカルサービス「ペシャワール会」に参加。2005年2月までの3年間、主にアフガン難民の診療にあたり、ドクターチーフとなる。ペシャワール会退職後マヒドン大学熱帯医学部の修士課程に入学して翌年卒、2007年に日本人で初めて、タイの医師免許を取得する。2008年からバンコク病院勤務。

バンコク病院 ジャパン・メディカル・サービス
2 Soi Soonvijai 7, New Petchburi Rd., Bangkok 10310
Tel:66-2310-3257 Fax:66-2755-1257
E-mail:jpn@bgh.co.th
URL:www.bangkokhospital.com
《newsclip》


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