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タクシン氏免罪法案、棚上げ見通し強まる

2012年7月1日(日) 19時27分(タイ時間)
【タイ】タクシン元首相に対する実刑判決の無効化などを含む「国家和解法案」の国会審議が先送りされる公算が強まった。同法案はタクシン派が5月下旬に国会に提出したが、反タクシン派の反発が予想以上に強く、法案可決を強行すれば、タクシン派インラク政権が転覆しかねないという懸念が浮上。6月末になり、タクシン派幹部から当面は審議を見送るべきという意見が相次いだ。

 和解法案は(1)2005—2011年に起きた政治集会や政治的な意見表明による法律違反と、政府によるこれらの取り締まりに際した法律違法について、全ての刑事責任追及を中止し、すでに出た判決を無効とする(2)2006—2007年の軍事政権が設置した組織による司法案件の刑罰を無効とする(3)役員を務める政党の解党で5年間の参政権停止処分を受けた政治家全員の参政権回復——の3点が骨子で、下院の国家和解検討委員会(委員長、ソンティ・ブンヤラカリン元陸軍司令官)などが取りまとめた。

 タクシン元首相は国外滞在中の2008年、首相在任中に当時の妻が国有地を競売で購入したことで懲役2年の実刑判決を受け、その後は投獄を避けるため、タイに帰国せず、主にドバイに滞在している。2010年2月にはタクシン一族の資産約470億バーツが不正蓄財として国庫に没収され、これをきっかけに、同年3—5月のタクシン派市民団体「反独裁民主戦線(UDD、通称スアデーン=赤シャツ)」によるバンコク都心部の占拠、死者91人、負傷者1400人以上を出した治安部隊との衝突に発展した。タクシン氏への実刑判決と資産没収はいずれも軍政が設置した組織による調査の結果で、和解法が施行されれば、(2)により、無罪放免、資産返還となる見通しだ。

 タクシン派政権与党プアタイは和解法案の5月末の国会審議入りを目指したが、反タクシン派が激しく反発し、下院で与野党議員が乱闘寸前となったほか、国会議事堂前の道路を反タクシン派市民団体が封鎖。結局、同法案の審議入りは見送られ、6月19日に下院は閉会した。

 タクシン派はその後、8月1日に開会する次期国会で和解法案の成立を目指す方針を示したが、6月28日にソムサック下院議長が法案の取り下げが望ましいという考えを表明。29日にはUDD幹部のナタウット副農相が法案審議を先送りすべきと述べた。6月30日にバンコク都庁前で開かれたプアタイの政治集会でも、UDD幹部らから、法案審議の先送りを支持する発言が相次いだ。

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《newsclip》


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