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〈医療特集〉 思わぬ異常が… 11年ぶりに健康診断

2012年7月6日(金) 12時21分(タイ時間)

仕事にかこつけて不摂生を続ける中年は要注意
予想外の異常値、健康管理の必然性を再認識

 男44歳、身長169cm、体重79kg、メタボではないが太り過ぎ。常に不摂生、仕事にかこつけて昼夜逆転、健康状態に興味なし、という生活を続けて20年。今回、バンコク病院の日本人スタッフに諭され、前回から11年ぶりに健康診断を受けることに。運動不足や生活習慣病を指摘されるぐらいと思いきや、全く予想していなかった異常値が判明。健康診断は定期的にしっかり受け、その結果に基づいて生活を改善しなければならないことを改めて実感した。

時間どおりの開始、スムーズな流れ、日本語可能

 今回の健康診断は「人間ドックプログラム Absolute Male」。これだけでも相当な項目だが、日本人は胃の病気が多いということで、オプションの上部消化器官透視(胃バリウム検査)をセットにしてもらった。検診開始の8—10時間前より絶飲食となる。

 アポは月曜朝7時50分。時間ジャストにバンコク病院内の日本人専門クリニック(JMS)のカウンターへ。健康診断で訪れた旨を告げるだけで、タイ人スタッフが日本語で名前や生年月日を確認してくれた。

 8時前には身長、体重、体温、血圧といった身体測定と血液の採取。その後、日本人としてタイで初めて医師免許を取得された仲地省吾医師による、病歴の聴取と一般診察。この際、健康診断についての質問が可能だ。

 健康診断では健診着に着替え、身の回り品を全てロッカーに保管する。ちなみに何人かのタイの人たちは、携帯電話だけはしっかり持ってきていた。

 胸部レントゲン検査から始まったが、「息を吸って、吐いて」などの案内は日本語。その後も、看護師によるそれぞれの科への案内やそこでの説明、医師による検査結果の一言コメントなど、ほとんど全て日本語だった。英語の場合でもわかりやすく話してくれるので、言葉の問題は皆無だ。

 日本から来たばかりの人でも安心だし、タイ語ができる日本人でも医療になると難しく思える単語がが多いはずなので、言葉の不安がないのは非常にうれしい。また、手首にはリストバンドが巻かれ、看護師が全ての科で必ず確認してくれるので安心だ。

歩き回る必要なし、予定より早く終わるときも

 痛い思いをする検査なし(最初の血液採取ぐらい)。負荷心電図検査(または心臓エコー検査)でランニングマシーンを使ったときに疲れた程度だが、このぐらいで疲れる太り方をしているのが問題。最後の検査は歯科、その場で鏡を見ながら虫歯5本、摩耗歯4本、歯石、歯肉炎といった説明を日本語で受けた。

 当初、人間ドックプログラム Absolute Male の健診時間は4—5時間が目安と告げられていたが、3時間半で終わりに。週末など混み合う曜日や団体での診断になるとやはり、4~5時間かかることがあるとのこと。

 また、JMSがある2階とその上の3階で全ての検査を済ませることができ、あちこち歩き回ることがなかった。ただ、胃・十二指腸内視鏡(胃カメラ)検査では、ちょっと歩くらしい。この胃カメラ、バンコク病院は固定料金を表示している。

 着替えてJMSのカウンターに戻り、書類を渡して終わり。朝の受付時に院内の飲食店で利用可能なクーポンをもらってあったので、そのままちょっと早めの食事に行く。

自覚していた過食・偏食と運動不足

 健康診断の結果詳細は2週間以内に書類で送ってもらえることになっているが、実際には1週間弱で到着した。また、診断が終わった時点でコメントをもらうこともできる。仲地医師の診察室に戻り、PCのモニターを見ながら説明してもらう。

 「コレステロールや尿酸などが、正常値より若干高めです。肝機能検査では、アルコールやカロリー摂取過多で上がってくるGGTの数値が、正常値を大きく上回っています。今回で数値の異常が見られるのは、ほとんど全てが生活習慣、すなわち過食・偏食と運動不足から来るものです」。

 食生活の改善と運動で体重を落とせば、ある程度は健康体に戻せる。「運動は、いわゆる成人病の原因となる動脈硬化を防ぐ効果があります。例えばホルモン物質の一つであるインシュリンを高め、血糖値を低下させる働きを促します」(仲地医師)。ただ、食生活を改善する、運動を始めるといっても、なかなか実行に移せない。結局はその次の健康診断でも同じ結果に、という人が多いという。

 気を付けなければならないのが、アルコール摂取と喫煙。酒の飲み過ぎとタバコの吸い過ぎがもたらす害は、誰もが知るところ。付き合いや接待による過食・偏食、アルコール摂取と喫煙過多、運動する時間も場所もないという生活だと、いつまでたっても改善できない。

予想外の診断結果

 過食・偏食と運動不足は自分でも理解していたこと。しかしそれ以外にも再検査が必要な項目が。一つは甲状腺刺激ホルモンだ。甲状腺に関してはほかに異常はなく、何かの理由で甲状腺刺激ホルモンが多く分泌されているとこと。「すぐにどうというのはないでしょう。遺伝的なものかも知れませんし、治療が必要になった場合でも薬があります」(仲地医師)。ちなみに甲状腺ホルモンの分泌が低下してくると、肥満、記憶力の低下、脱毛などの症状が見られるという(すでに来ている感あり)。

 もう一つ、予想外だったのが前立腺。「前立腺癌検査の腫瘍マーカーの数値が高めです。こちらは専門医に見てもらった方が良いでしょう。今のうちに対処してください」(仲地医師)。50代以上に多く見られるガンで、最近は増加の傾向にあるという。

 必要なのは普段からの規則正しい生活、定期的な健康診断、その結果を受けての迅速な対処だ。「健康診断は年に1度でよいので、この次までに数値を改善できるよう頑張ってください」(仲地医師)。

異常値抜粋
◇体重79キロで太り過ぎ(理想値52.4—70.8キロ)、腹囲は81cmでメタボ基準範囲(85cm未満)
◇総コレステロール 214 (正常値<200mg/dl) ←低脂肪食をとり、適度な運動を
◇悪玉コレステロール 156 (正常値<130mg/dl) ←低脂肪食をとり、適度な運動を
◇尿酸 7.50 (正常値3.4—7.0mg/dl) ←アルコール、プリン体の摂取を減らす
◇肝機能検査 GGT 288 (正常値11—50U/L) ←カロリーとアルコールを控える
◇甲状腺刺激ホルモン 6.56 (正常値0.27—4.20uIU/ml) ←6カ月後に再検査を
◇前立腺癌検査 6.8 (正常値0—4) ←専門医(泌尿器科)の診察を
◇血液検査 ヘモグロビンA1c 5.8 (正常値<5.7) ←過食に注意、運動を

バンコク病院
2 Soi Soonvijai 7, New Petchburi Rd., Bangkok 10310
Tel:66-2310-3257 Fax:66-2755-1257
E-mail:jpn@bgh.co.th
URL:www.bangkokhospital.com


人間ドックプログラム Absolute Maleの項目
◇ 身体測定 ◇病歴の聴取・一般診察 ◇ 眼科検査 ◇ 聴力検査 ◇ 歯科検査 ◇ 血液性状◇ 糖尿病 ◇脂質 ◇ 腎機能 ◇ 尿酸 ◇ 肝機能 ◇ 甲状腺 ◇ 腫瘍マーカー ◇ 尿検査 ◇ 便検査(便潜血) ◇ 胸部X線検査 ◇ 全腹部超音波検査 ◇ 負荷心電図検査(または心臓エコー検査) ◇ 心電図検査 ◇ 足関節上腕血圧比 ◇ 頚(けい)動脈 ◇ 日本語レポート

通常価格:3万2536B パッケージ価格:1万6500B 健診時間目安:4—5時間

予約:1週間前までにJMSに電話またはメール(日本語対応)
電話:0-2310-3257 Eメール:jpn@bgh.co.th


仲地省吾 医師
 1956年沖縄県生まれ。1982年に山口大学医学部を卒業後、2001年まで同県宇部市の宇部協立病院で内科一般、消化器科の専門医として勤務する。2002年2月にパキスタン・ペシャワールのメディカルサービス「ペシャワール会」に参加。2005年2月までの3年間、主にアフガン難民の診療にあたり、ドクターチーフとなる。ペシャワール会退職後マヒドン大学熱帯医学部の修士課程に入学して翌年卒、2007年に日本人で初めて、タイの医師免許を取得する。2008年からバンコク病院勤務。

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《newsclip》


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