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タイ兵士4人殺害映像がテレビに タイ深南部テロ

2012年7月30日(月) 10時35分(タイ時間)
【タイ】28日朝、タイ深南部パタニー県で、タイ軍兵士6人が乗ったバイク3台が走行中にピックアップトラック3台から銃撃を受け、兵士4人が死亡、2人が負傷した。襲撃の様子を撮影した防犯カメラの映像には、至近距離から銃撃を受けたバイクが転倒し、倒れた兵士にトラックから下りた犯人グループがさらに銃撃を加え、備品を奪う様子がはっきりと映っていた。この映像はテレビニュースで流れ、タイ国民の間に衝撃が広がった。タイ治安当局は深南部の独立を目指すマレー系イスラム武装勢力の犯行とみて、29日までに、容疑者の男3人を逮捕した。

 タイ深南部ではイスラム教の断食月「ラマダン」が始まった20日以降、イスラム武装勢力によるとみられるテロが活発化している。20日にはマレーシアと国境を接するナラティワート県スンガイコーロク市の商店街で自動車に仕掛けた爆弾が爆発し、8人が負傷、店舗兼家屋数棟、自動車数台などが炎上した。25日にはヤラー県で警察の車両が武装グループから爆弾と銃で攻撃され、警官5人が死亡、1人がけがをした。パタニーでは28日夜、バイクに乗った仏教徒の住民男性2人が銃撃を受け死亡。29日にも男性1人が銃で撃たれ死亡した。隣県のヤラーでは29日、モスクの中で男性が撃たれ死亡した。ナラティワートでは28日、タイ軍兵士と武装グループが銃撃戦を交わした。死者はなかった。

〈タイ深南部〉
 ナラティワート、ヤラー、パタニーのタイ深南部3県には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、約100年前にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語を話せない人も多い。タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域で、行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 タイからの独立を目指すイスラム教徒住民による武装闘争は断続的に続き、タクシン政権が発足した2001年から活発化。警察派出所が襲われ一晩で警官十数人が殺害されるなど、2003年までに数百人の死者が出たが、政府は「山賊の仕業」として、独立運動の存在を認めていなかった。
 2004年1月に軍の武器庫が襲撃され、兵士4人が死亡、大量の兵器が強奪される事件が起き、これを機に「山賊」ではなく「テロリスト」とされた。同年4月には、警察派出所や軍駐屯地を同時襲撃したイスラム武装勢力を治安当局が迎え撃ち、1日で武装勢力側108人、治安当局側5人が死亡。同年10月、ナラティワート県タークバイ郡では住民の逮捕などに反発したイスラム教徒住民3000人が警察署前で抗議デモを起こし、治安当局による発砲などで7人が死亡、約1000人が逮捕され、逮捕者のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
 両事件以降、武装勢力とタイ治安当局の抗争は激化し、2001年からこれまでに約6000人が銃撃、爆破などで死亡した。
《newsclip》


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