RSS

タイ深南部のホテルでカーボム、5人けが

2012年8月1日(水) 14時43分(タイ時間)
【タイ】7月31日午後7時15分ごろ、タイ深南部パタニー市のホテル、CSパタニーホテル(9階建て、客室数125)の裏手でピックアップトラックに仕掛けた爆弾が爆発し、ホテルの宿泊客と従業員5人がけがをした。また、ホテルの外壁が破損し、客室約80室と厨房の窓ガラスが割れた。近くの民家数棟でも窓ガラスが割れるなどの被害が出た。CSパタニーホテルは1日から営業を停止している。

 ホテルでの爆発の約20分後、パタニー市内の変電所でも爆発があり、パタニー市街の広い範囲が一時停電した。

 CSパタニーホテルでは2008年に、ロビー近くの駐車場で自動車に仕掛けた爆弾が爆発し、同ホテルのオーナーであるアヌサーン上院議員(50)の運転手の男性が死亡、宿泊客、従業員ら15人がけがをした。事件後、ロビーや駐車場の警備が強化されたが、ホテル裏側の警備は手薄だった。

 タイ深南部ではタイからの独立を目指すマレー系イスラム武装勢力のテロが頻発し、今回の爆破事件もイスラム武装勢力の犯行をみられている。テロはイスラム教の断食月「ラマダン」が始まった7月20日以降、激しさを増し、20日にはマレーシアと国境を接するタイ深南部ナラティワート県スンガイコーロク市の商店街で自動車に仕掛けた爆弾が爆発し、8人が負傷、店舗兼家屋数棟、自動車数台などが炎上した。25日には隣県のヤラーで警察の車両が武装グループから爆弾と銃で攻撃され、警官5人が死亡、1人がけがをした。28日にはパタニーでタイ軍兵士6人が乗ったバイク3台が走行中にピックアップトラック3台から銃撃を受け、兵士4人が死亡、2人が負傷した。この他にも連日、銃撃、爆破事件が起き、死傷者が出ている。

〈タイ深南部〉
 ナラティワート、ヤラー、パタニーのタイ深南部3県には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、約100年前にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語を話せない人も多い。タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域で、行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 タイからの独立を目指すイスラム教徒住民による武装闘争は断続的に続き、タクシン政権が発足した2001年から活発化。警察派出所が襲われ一晩で警官十数人が殺害されるなど、2003年までに数百人の死者が出たが、政府は「山賊の仕業」として、独立運動の存在を認めていなかった。
 2004年1月に軍の武器庫が襲撃され、兵士4人が死亡、大量の兵器が強奪される事件が起き、これを機に「山賊」ではなく「テロリスト」とされた。同年4月には、警察派出所や軍駐屯地を同時襲撃したイスラム武装勢力を治安当局が迎え撃ち、1日で武装勢力側108人、治安当局側5人が死亡。同年10月、ナラティワート県タークバイ郡では住民の逮捕などに反発したイスラム教徒住民3000人が警察署前で抗議デモを起こし、治安当局による発砲などで7人が死亡、約1000人が逮捕され、逮捕者のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
 両事件以降、武装勢力とタイ治安当局の抗争は激化し、2001年からこれまでに約6000人が銃撃、爆破などで死亡した。
《newsclip》


新着PR情報