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〈スペシャリストに聞く〉 百武加恵 医師

2012年10月12日(金) 17時00分(タイ時間)

一般内科 Kae Hyakutake, M.D. General Practice

—医師を目指したのはいつ?

 受験先を防衛医科大学に決めるまで、具体的に医師になりたいという考えはありませんでした。防衛医大の話を聞いたとき、親の世話にならずに給料をもらいながら全寮制で大学へ行けてその後医者になれるというので、面白そうだと思って決めました。

—医師としての仕事は?

 日本にいたときは自衛隊病院で高血圧や糖尿病などの一般的な内科診療や検診、胃や大腸の内視鏡検査を主にやっておりました。医師であると同時に自衛官でしたので時々射撃や演習参加もあり、とても面白い経験が出来ました。内科に関わらずいろいろな疾患を診る機会があったことが、タイで日本人の患者さんに様々な医療相談を受けるときに役立っております。

 日本とタイとで医師としての仕事に変わりはありませんが、タイ人と働くということに結構楽しさを感じております。病院スタッフは日本の方がちょっと優秀かなとは思いますが、タイ人の方が時間に余裕があることもあって優しいなぁと思うことが多いです。

 医師は日本だとちょっと性格のきつい人によく遭遇するのですが、タイではたいていの人が金持ちの出身だからか性格がおおらかです。しかもバムルンラードには欧米で留学・勤務の経験がある人が多いことからこちらも勉強になることが多くて、楽しく勤務しております。

—タイに来られたきっかけは?

 2002年に自衛隊の国連平和維持活動(PKO)で東チモールに派遣されたときに出会ったタイ軍の医師と結婚したからです。夫は整形外科医で、タイの軍医大を卒業して空軍の病院に勤務しており、私と環境が似ていました。帰国後もメールでのやりとりが続き、2005年に入籍しました。

 仕事を続けながら一緒に暮らすにはどちらかが相手の国の医師免許をとる必要があり、外国人が日本で医師免許をとるには日本語の医師国家試験+日本語能力試験1級合格という条件がありました。その難易度を考えたとき、私がタイ語を勉強してタイ語の医師国家試験に通るのが現実的ではないかと思いました。

—現実的とはいえ、難しいことに変わりはなかったのでは?

 こちらの国家試験は日本のように対策本が市販されているわけではないので、まず過去問をコピーさせてくれる学生さんを探すところから始めなければなりませんでした。その過去問もほぼ全部タイ語で書いてあるので途中で何度も嫌になりましたが、その度に夫が親身になって教えてくれるのでなんとか続けることができました。

 タイ語で読んでマークシートで答える問題はすぐ合格しましたが、OSCEという実技試験でタイ人の模擬患者を相手に診察する試験になかなか通りませんでした。夫に聞いてもどうして私の解答で不合格なのかわからず、タイ語でインターネットをサーチするようになってからチェンマイ大学のOSCE対策講義を発見し、そのDVDで勉強してからやっと3回目で合格しました。

—東チモールPKOと熱帯病について

 陸上自衛隊は1992年のカンボジアへのPKO以来、熱帯医学の研修を積んだ医官を養成しています。私も2000年に米国とタイへ勉強に行かせてもらったことから、女性自衛官が初めて参加することになった東チモールに派遣されました。

 熱帯医学の研修は米国では米軍の熱帯医学課程に参加しました。米軍はベトナム戦争時、戦死者より熱帯病で死亡した軍人が数倍多かったという経験をしていることから、熱帯病の研究とその(軍事的)対策や教育に相当力を入れており、軍事費が世界一の国は違うと思いました。タイではマヒドン大学や国境近くの軍病院などでマラリアやレプトスピラなどの実際の熱帯病の患者さんを見せてもらいました。

—バムルンラード・インターナショナルでの勤務は?

 2010年からコーディネーション医師として勤務し、タイの医師資格を取得した後2011年3月から内科外来と健康診断センターで勤務しております。主に日本人の患者さんを診察しておりますが、世界中の様々な人達にも接するので観察していると面白いです。

 診察後必要に応じて専門医を紹介することもあります。タイ人の医師を受診したけど説明がよくわからない、またはインターネットに書いてあったことと違う治療なので不安だ、などの疑問がある場合も私が説明します。日本人の患者さんは日本語で説明するとやっぱり安心されるんですね。また日本は保険診療なのでこの治療はこの診断名にしか使えないという制約がありますが、タイにはそれがないのでその症状にあった最善の治療が可能という点はいいですね。

—今後の目標などありますか?

 何かを手に入れたいという目標はありません。日々勉強して目の前に来られた患者さんが元気になれるよう精一杯努力して、だんだんと診療能力を上げて、もっと人の役に立つような医者になりたいと思っています。日本人が元気になるお手伝いをすることで日本がもっと元気になる一端になりたいです。タイに住んでいても心は日本を応援しております。

 プライベートでは走るのが好きなので、いろいろな国の(ハーフ)マラソン大会に参加したいです。イベント参加型の旅行って面白いですよね。

 子供の成長も楽しみです。17歳の息子と14歳の娘がいますが、息子はすでに医師になりたいと言っています。

プロフィール:
 1967年福岡県生まれ。地元の高校を卒業後、防衛医科大学に進み、医師免許を取得する。1993年より自衛隊、主に自衛隊福岡病院内科で勤務。一般内科検診、感染症、糖尿病、高血圧、消化器・呼吸器疾患治療など、一般内科業務に従事。2002年、東チモールでの国際平和維持活動(PKO)に医師として参加。同地でタイ空軍軍医と出会い2005年に結婚。来タイ後は2007—2010年バンコク都内ピヤウェート病院で医療コンサルタントとして勤務。2010年、日本人として2人目となるタイ医師免許を取得。2011年3月よりバムルンラード・インターナショナルで内科医として勤務。

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東チモールPKO活動にて

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