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バンコクに治安法発令 24日の反政府集会で厳戒態勢

2012年11月22日(木) 17時24分(タイ時間)
【タイ】タイのタクシン元首相派インラク政権は22日、バンコク都内のラマ5世騎馬像前広場で24日朝から開かれる予定の反政府集会に対応するためとして、バンコクのドゥシット区、プラナコン区、ポープラープサットパーイ区の3区に、治安維持のための国内安全保障法を発令した。期間は30日まで。

 国内安全保障法は軍主体の国内安全保障司令部(ISOC)に、▽関係政府機関の動員▽特定の建物、地域への進入禁止▽外出禁止▽集会禁止▽移動禁止——などの権限を与えるもので、2010年にバンコク都心で起きたタクシン元首相派の暴動でも発令された。

 今回、同法発令を政府に提案したタイ警察は、24日の集会に5万—6万人が参加し、一部が政府の建物に侵入する恐れがあるとしている。

 反政府集会を主導しているのはスラユット枢密顧問官(元首相、元陸軍司令官)の士官候補生学校の同級生であるブンルート退役陸軍大将(写真)で、プレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)の側近のパジュン退役提督も参加している。ブンルート大将は「インラク政権は犯罪者であるタクシン元首相の操り人形」で、「汚職やインターネット上での王室批判を野放しにしている」と批判。軍がこうした呼びかけに呼応して、クーデターでインラク政権を追放することに期待を示している。

 ブンルート大将らは10月28日、1回目の反政府集会をバンコク都内の競馬場「ロイヤル・ターフ・クラブ・オブ・タイランド・アンダー・ロイヤル・パトロネージ」で開き、1万人近くが参加した。ただ、参加者には地方から動員されたとみられる人も含まれ、反タクシン派の実業家、特権階級らが活動資金を拠出している疑いが浮上している。

 タクシン元首相は今月18日、バンコク郊外のサムットプラカン県で開かれたタクシン派団体「反独裁民主戦線(通称、スアデーン=赤シャツ)」の集会に国際電話をかけ、集まった支持者数千人に対し、反政府集会の背後にプレム枢密院議長とスラユット枢密顧問官がいると主張。「プレム議長はなぜ民意、憲法を重視しないのか」などと批判した。

 タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と特権階級を中心とする反タクシン派の抗争が続いている。反タクシン派はタクシン氏を反王室の腐敗政治家と糾弾。一方のタクシン派は特権階級が軍官財界を動かし民主主義や法治をねじまげていると主張している。激しい政争の中、2006年、2008年には反タクシン派、2009年、2010年にはタクシン派による大規模なデモがあり、2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、市民、兵士ら91人が死亡、1400人以上が負傷した。

 反タクシン派は2006年に軍事クーデター、2008年には「司法クーデター」と呼ばれる憲法裁判所によるタクシン派政党の解党命令で、政権を奪還した。一方、タクシン派は下院総選挙で2001年、2005年、2007年、2011年と4連勝中。
《newsclip》


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