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タイ反政府デモの負傷者82人 今後の展開は?

2012年11月26日(月) 01時39分(タイ時間)
【タイ】タイ保健省によると、24日にバンコクで起きた反政府デモ隊と警官隊の衝突で82人がけがをした。けが人の内訳はデモ参加者の男性31人、女性21人と、警官29人、兵士1人。一方、衝突で検挙されたデモ参加者は138人で、大型トラックを運転して道路封鎖を突破しようとした男1人(58)を除く137人が24日夜までに釈放された。

 24日のデモは「インラク政権は犯罪者であるタクシン元首相の操り人形」で「汚職やインターネット上での王室批判を野放しにしている」と主張するブンルート退役陸軍大将ら王党派・反タクシン元首相派がバンコクのラマ5世騎馬像前広場で開催し、約2万人が参加した。

 2008年の反タクシン派デモでは首相府がデモ隊に長期間占拠されたことから、タクシン派インラク政権は今回、特定の場所への侵入禁止や軍の動員を可能にする国内安全保障法を発令し、デモ会場周辺の道路を封鎖。多数の警官を配備し、首相府、国会議事堂などへのデモ参加者の行進阻止を図った。デモ隊は2カ所で道路封鎖の突破を図ったが、警官隊から催涙ガス弾を浴び、撤退。ブンルート大将は午後5時、集会の終了を宣言した。

 タイのメディアの間では、今回のデモがインラク政権打倒を狙った反タクシン派の策謀の第1段階で、最終的な目標は、デモ隊と警官隊の衝突をきっかけに軍が介入し、クーデターで政権を転覆することだという見方がある。ただ、反タクシン派の頼みの綱である軍の反応は鈍かった。

 反タクシン派は選挙で勝てない上、時が経てば経つほど不利とみられ、中長期的展望は明るくない。こうした情勢から、野党の一部には勝ち馬に乗ろうとタクシン派に寝返る動きがみられる。軍幹部の中にも反タクシン派べったりは避けたいという気分が広がっている可能性がある。

 タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と特権階級を中心とする反タクシン派の抗争が続いている。反タクシン派はタクシン氏を反王室の腐敗政治家と糾弾。一方のタクシン派は特権階級が軍官財界を動かし民主主義や法治をねじまげていると主張している。激しい政争の中、2006年、2008年には反タクシン派、2009年、2010年にはタクシン派による大規模なデモがあり、2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、市民、兵士ら91人が死亡、1400人以上が負傷した。

 タクシン派は2006年に軍事クーデター、2008年に「司法クーデター」と呼ばれる憲法裁判所によるタクシン派政党の解党命令で、政権を失った。しかし、下院総選挙では2001年、2005年、2007年、2011年と4連勝中で、2011年のインラク政権発足後は野党、反タクシン派の分断工作を進めている。

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負傷した警官を見舞うアドゥン警察長官
《newsclip》


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