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タイ与党、改憲推進を表明 反タクシン派と衝突も

2012年12月11日(火) 00時28分(タイ時間)
【タイ】タイの憲法記念日である10日、タクシン元首相派のプアタイ党など与党4党は憲法改正を推進するとした共同声明を発表した。4党は、現行憲法は2006年の軍事クーデターでタクシン政権を追放した反タクシン派が制定したもので、非民主的な内容を含むと指摘。立憲君主制を堅持しつつ、国民の権利拡大、政治システムの効率化を盛り込んだ新憲法を国民が参加する形で制定する方針を打ち出した。

 タクシン派市民団体「反独裁民主戦線(UDD)」は同日、憲法改正を求め、バンコク都内を自動車やバイクでデモ行進した。数千人が参加した。

 タイの現行憲法は議員の約半数が任命制の上院、独立性の高い最高裁判所、憲法裁判所、選挙委員会などを通じ、反タクシン派が政治介入しやすい仕組みになっている。2011年の総選挙で発足したタクシン派インラク政権は反タクシン派の司法・政治への影響力排除を狙い、新憲法案を起草する憲法起草議会を設立するための憲法291条改正案を国会に提出したが、第3読会の採決直前の6月1日、違憲かどうかの判断を下すまで審議を中止するよう憲法裁が命令。憲法裁は7月、改憲自体は合憲だが、新憲法の制定には国民投票が必要とする判断を下した。ただ、憲法裁は新憲法制定の具体的な手順は明確にしていない。

 憲法裁は2006年以降、ほぼ一貫してタクシン派に不利な判決を下している。2008年には当時のタクシン派政権のサマック首相を料理番組に出て出演料をもらったことを理由に失職させた上、選挙違反でタクシン派与党を解党し、タクシン派政権を崩壊させた。こうした経緯から、インラク政権・プアタイ党は、下手に新憲法制定に動くと、後から憲法裁により違憲とされ、プアタイが解党される恐れがあると警戒。7月以降、改憲の動きを止め、様子をうかがっている。

 一方、タイの私立アサンプション大学(ABAC)が11月26日—12月8日にタイの77都県中、バンコク、北部チェンライなど17都県の18歳以上を対象に実施したアンケート調査(回答者2062人)で、「憲法改正に賛成」は48・2%、「反対」は51・8%だった。「改憲が政治対立を深めると思うか?」という質問には74%が「そう思う」と回答した。
《newsclip》


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