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民主現職対タクシン派警察高官 3月3日にバンコク都知事選

2013年1月21日(月) 23時53分(タイ時間)
【タイ】3月3日投票のバンコク都知事選の立候補受け付けが21日、始まり、野党民主党公認で2期目を目指すスクムパン・ボリパット前都知事(60)、タクシン元首相派与党プアタイが擁立したポンサパット・ポンジャルーン前麻薬取締委員会事務局長兼警察副長官(57)、無所属のセーリーピスット・テミヤウェート元警察長官ら18人が同日中に届け出を済ませた。各候補に割り当てられた数字は、ポンサパット氏がタイ語で「前進」と発音が近く縁起がいいとされる「9」、スクムパン氏が「16」、セーリーピスット氏(65)が「11」だった。

 バンコクでは歴史的に民主党が強い。タイ国立開発行政研究院(NIDA)が昨年12月25日—今年1月4日に18歳以上のバンコク都民を対象に行なった世論調査(回答者3356人)で、都知事候補の支持率はスクムパン氏24・1%、ポンサパット氏17・5%、セーリーピスット氏9・5%で、こうした見方を裏付けた。ただ、スクムパン氏に関しては、民主党内に「決断力、実行力、カリスマ性に欠ける」「1期目で退陣させ、別候補を立てる」べきという意見があり、党執行部による都知事選候補者選びは最後まで紛糾した。こうした経緯から、スクムパン氏は比較的弱い候補とみられ、ポンサパット氏にも追い上げのチャンスがあるとみられている。

 スクムパン氏は1952年生まれ。タイの王族で、チュラロンコン大王のひ孫にあたる。英オックスフォード大学で政治学、経済学の学位を、米ジョージタウン大学で国際関係学の修士号を取得。チュラロンコン大学准教授、チャーチャーイ首相顧問(1988—1989年)などを経て、1997—2001年、チュワン民主党政権で副外相を務めた。

 2009年1月に行われた前回の都知事選では93・5万票を獲得し、61・2万票だったプアタイのユラナン氏(俳優、歌手)、33・5万票だった無所属で王族のナタコン氏(テレビキャスター)らを破り、当選した。都知事就任後は支持率が今ひとつ伸び悩み、2011年にバンコクを襲った大洪水ではタクシン派政府との衝突で話題となった。また、昨年11月に開催されたフットサルワールドカップ(W杯)タイ大会ではバンコクのメイン会場の建設が間に合わず、批判を浴びた。

 スクムパン氏はまた、バンコク都庁が昨年5月、バンコク高架電車BTSを運行するバンコク・マストランジット・システム社(BTSC)にBTSの運行を長期委託する契約を結んだことで、タイ法務省特捜局(DSI)の捜査を受けている。問題の契約はBTSの運行を2042年までBTSCに委託し、バンコク都庁が同社に総額1900億バーツを支払うというもの。DSIは、契約は内相の認可を得ておらず、不正の疑いがあるとしている。

 スクムパン氏は1月10日の任期満了の1日前に辞任し、規定により、選挙期間が15日間伸びた。

 ポンサパット氏は1955年、タイ東部ジャンタブリ県生まれ。タイ士官候補生学校、タイ警察士官学校を経て、米国に国費留学し、アラバマ大学で修士号、サム・ヒューストン州立大学で哲学の博士号を取得した。帰国後、警察に勤務し、2011年に麻薬取締委員会事務局長兼警察副長官に就任。既婚者で、子供が3人いる。

 士官学校卒、国費でサム・ヒューストン州立大学に留学という経歴はタクシン元首相(63)と同じ。先輩の要請を断りきれなかったのか、プアタイの出馬要請を受け入れ、1月14日に警察と麻薬取締委に辞表を出した。明るく外交的な性格といわれ、比較的清廉なイメージがある。テレビに登場することが多く、知名度も高い。ただ、民主党の壁は厚いとみられ、落選した場合は政府の要職で処遇されるとみられている。

 無所属で立候補し、一定の支持を集めるとみられているのがセーリーピスット氏。犯罪取り締まりで人気を集め、軍事政権下の2007年に警察長官に就任。タクシン派サマック政権下の2008年に解任された。セーリーピスット氏の支持層は民主党と重なるとみられる。

 タイの77都県中、県知事が公選制なのはバンコクのみ。残る76県の知事は内務省から派遣される官僚だ。バンコク都知事は任期4年。選挙の供託金は5万バーツで、選挙費用は4900万バーツまでとされている。有権者数は434・6万人。

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左から、スクムパン氏、セーリーピスット氏、ポンサパット氏

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《newsclip》


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