【タイ】タクシン元首相派の雑誌「ボイス・オブ・タクシン」の元編集者のタイ人男性ソムヨット・プルクサーカセームスク被告(51)が不敬罪などに問われた裁判で、一審のタイ刑事裁判所は23日、「ボイス・オブ・タクシン」の2010年2、3月号に掲載された記事が王室を中傷したとして、被告に対し、不敬罪で懲役10年の実刑判決を下した。また、反タクシン派の軍人に対する名誉棄損で懲役1年が加えられた。
被告は控訴する一方、保釈を求める方針だが、逮捕されて以来、これまで11回の保釈申請はいずれも却下されている。タイでは殺人事件の被告、容疑者でも保釈されるケースがあるが、不敬罪の場合、保釈は認めらないことがほとんどだ。
不敬罪とされた記事はタクシン政権(2001—2006年)で首相府相を務め、後に不敬罪に問われて国外に逃亡したジャクラポップ・ペンケー氏が執筆した。ソムヨット被告はこの記事を掲載したことで不敬罪に問われ、2011年4月、不敬罪の改正を求める署名活動を開始した5日後に逮捕された。
人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部ニューヨーク)は今回の判決について、ソムヨット被告が不敬罪改正を支持したことが重い判決につながったという見方を示し、タクシン派対反タクシン派というタイの政治的対立が続いていると指摘。裁判所の懲罰的な判決や不敬罪自体を強く批判した。
不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役が科される。HRWによると、1990年から2005年にかけ、不敬罪の裁判は年4、5件程度だったが、特権階級を中心とする反タクシン派と反王室のイメージがあるタクシン派の政治抗争が激化した2006年以降は累計で400件以上に上る。2011年8月のタクシン派インラク政権発足後は減少したが、今月17日にも、タクシン派活動家のタイ人男性が不敬罪で刑事裁から懲役2年の実刑判決を受けた。
不敬罪についてはタイ国内の一部学識者やタクシン派市民団体に加え、米国務省、国連なども批判的な見解を示している。ただ、タイ軍幹部や反タクシン派野党、王党派団体は同法の改正廃止に強く反対。タクシン派与党は改正に及び腰で、国会で議論が深まる気配はない。
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