【タイ】人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部ニューヨーク)は13日、タイ南部パンガー県の海上でタイ海軍の兵士がミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ族の難民約20人に発砲し、少なくともこのうち2人が死亡したと発表した。
HRWによると、タイ海軍は2月21日、タイの漁民が救助したロヒンギャ族の難民船をパンガー県クラブリ郡まで曳航し、翌22日早朝、難民に対し、小船に移るよう命令した。動揺した難民の一部が海に飛び込んだところ、兵士が発砲した。海に飛び込んだ約20人のうち、4人は岸まで泳いで逃げ、地元のタイ人に救出された。射殺された2人はクラブリ郡のイスラム墓地に埋葬された。事件を目撃したタイ人漁民はHRWに対し、「もっと多くの死体を海で見た」と話した。
難民船には約130人が乗り、ミャンマーからマレーシアに向かう途中、燃料が切れ、タイに漂着した。難民船に乗っていたほかの難民がパンガーでの発砲後、どうなったかは不明だという。
HRWはタイ政府に対し、「兵士が難民を銃撃した理由を緊急に捜査し、責任があると判明した全員を訴追すべき」と主張。船に乗っていたほかの難民の所在を明らかにするよう訴えた。
HRWの発表について、タイ海軍は14日、ニュースクリップに対し、「責任者がいない」(広報)として、コメントを拒否。タイ首相府、外務省もコメントを拒否した。
ロヒンギャ族はミャンマー西部に居住。ミャンマー政府による迫害と貧困により、1970年代後半からバングラデシュなどへ数十万人単位の難民が流出した。2007年ごろからは船でタイ、マレーシアに密入国を図るケースが増えている。2009年にはロヒンギャ族の男性100人近くが乗った漂流船をタイ海軍の艦艇が沖に曳航して置き去りした疑いが浮上し、タイ政府が欧米の報道機関の追及を受けた。
2012年にはミャンマー西部でロヒンギャ族と仏教徒住民の間で大規模な人種・宗教衝突が発生し、タイに漂着するロヒンギャ族難民が急増した。タイ海軍によると、その数は2012年10月以降、数千人に上る。タイ政府は領海内に入ったロヒンギャ族難民船に対し、マレーシアかインドネシアに向かうという条件付きで、燃料、食料、水などを供給する政策をとっている。
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