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豪ドキュメンタリー番組のコピーCD販売 タイ人男性に不敬罪で実刑

2013年4月2日(火) 00時52分(タイ時間)
【タイ】タイ国営通信などによると、タイの政局と王室、王位継承問題などを扱ったオーストラリアのドキュメンタリー番組のコピーCDを販売したとして、タイ人男性(37)が不敬罪に問われた裁判で、タイ刑事裁判所は3月28日、被告に懲役3年4カ月の実刑判決を言い渡した。

 問題の番組はオーストラリア放送協会(ABC)が制作し、2010年4月に放送された。当時、タイ政府は番組の内容が不適切だとしてオーストラリア政府に抗議し、ABCはバンコク支局のスタッフが不敬罪で投獄される恐れがあるとみて、放送前後に同支局を一時閉鎖した。被告はこの番組のコピーCDを販売したとして、2011年3月に逮捕された。

 不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役が科される。人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部ニューヨーク)によると、1990年から2005年にかけ、不敬罪の裁判は年4、5件程度だったが、反王室のイメージがあるタクシン元首相派と特権階級を中心とする反タクシン派の政治抗争が激化した2006年以降は累計で400件以上に上る。今年1月にも、タクシン派雑誌の元編集者のタイ人男性(51)が掲載した記事が王室を中傷したとして不敬罪で懲役10年の実刑判決を受けた。

 不敬罪については、タイ国内の一部学識者やタクシン派市民団体に加え、米国、欧州連合(EU)、国連などが人権弾圧だとして批判的な見解を示している。ただ、タイ軍幹部や反タクシン派野党、王党派団体は「改正を論じること自体が不敬」といった論調で、同法の改正・廃止に強く反対。タクシン派与党は反発を恐れて改正に及び腰で、国会で議論が深まる気配はない。

 こうした中、今年3月に放送されたタイ公共放送局のテレビ番組で、社会評論家のスラック氏が不敬罪を改正すべきと公然と主張し、大きな反響を呼んだ。この番組は局幹部の判断でいったんお蔵入りとなった後、一転して放送されたといういわくつきで、放送後、軍の事実上のトップであるプラユット陸軍司令官は「不敬罪が嫌なら別に国に行けばいいだろう」とスラック氏らの発言に不快感を示した。
《newsclip》


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