Dr. Somsran Watanachote
フェムト・レーシック(Femto LASIK)
眼科専門医・眼科医長 Bangkok Lasik Center Bangkok Hospital Medical Center
日本の文部省の奨学金で千葉大学医学部に留学、1974年(昭和49年)に卒業して日本の医師免許を取得する。聖路加国際病院で1年研修、眼科でトップの成績を修める。タイに帰国し国立マヒドン大学附属シリラート病院のインターン生となり、熱帯病などを学ぶ。その後国立マヒドン大学附属で眼科を3年間学び、眼科専門医の免許を取得。後に小児病院に1年間勤める。日本に再び渡り、東北大学病院で3年間、うち2年間は福島共立病院に勤務にて、網膜専門の医局員に。タイに戻って国立ラチャウィティ病院に10年ほど勤め、網膜専門の部長となる。バンコク病院に移って眼科センターを開設。医師1人で始めた同センターは今や医師30人以上に。現在眼科医長。その他、ラチャウィティ病院の研修医と共に「People Eye Care Foundation」という医療基金チームを結成、タイ各地を回って無料で眼科医療を続ける。基金活動はすでに20年が過ぎ、今ではラオスやカンボジアなど外国でも活躍。
――バンコク・レーシック・センターで受けるレーシック治療とは?
バンコク・レーシック・センターは開設10年となります。当時導入した第4世代レーシック機器は現在でも第一線の医療機器として世界中で利用されており、安心して治療を受けていただくことができます。
そして昨年11月、フェムト・レーシックという最先端の機器を導入、半年足らずで200人以上の患者さんに治療を施しました。もちろん日本人の方々も治療されています。
レーシック治療は近視、遠視、乱視の矯正に有効で、中でも近視治療がほとんどですが、フェムト・レーシックはそのほか老眼にも対応します。
――そもそも近視や乱視というのは、眼球がどのような状態なのでしょうか?
正常な眼球では、外からの光はまず眼の表面である角膜とその内側の水晶体で屈折し、網膜の黄班で焦点が合うようになっています。ちなみに黄班では物が逆さに見えた状態です。この像は後頭部で元に戻されます。人間は後頭部で物を見ているともいえます。
これが近視眼の場合、角膜と水晶体で屈折する力が強いか、眼球がイメージとしてたまご型のように長いかで、黄班の手前で焦点が合ってしまう状態になっています。
遠視は近視の逆です。遠視眼では黄班を通り越した、眼球の外で焦点が合うようなイメージです。乱視眼というのは、角膜や水晶体での屈折力が均一でなく、眼球を通る平行光線が一点に結合しない状態です。ものが二重三重に見えてしまいます。
さらに老眼というのは、水晶体の弾力性が低下して起こる症状です。近いものを見るときに水晶体は屈折力を調整するために厚くなるのですが、その働きが低下しているために焦点が合わなくなります。
――近視や遠視を従来のレーシックではどのように治療するのでしょうか?
一言でいえば、角膜を削って焦点が合う位置を調整するのがレーシックです。ブレード(刃)で角膜に切れ目を入れて、まずはフラップという上ブタを作ります。そのフタを開けた状態で角膜内部をレーザーで削っていきます。
たいていは近視矯正ですので近視で例を挙げますが、角膜の屈折力が40ディオプターで近視の程度が5ディオプターの場合、角膜の屈折力を5ディオプター下げればいいわけです。角膜の厚さが平均的な500マイクロメートルだと仮定して、40ディオプターで割ると1ディオプターが12.5マイクロメートルとなります。
5ディオプター分なら62.5マイクロメートルを削るという、計算としては単純です。フラップの厚さは140―160マイクロメートル、62.5マイクロメートル削って角膜の厚さは残り277.5―297.5マイクロメートル。フラップを元に戻す前の状態で270―300マイクロメートルの厚さがあれば安心です。
バンコク・レーシック・センターではPRKという治療も可能です。角膜の上皮を剥がした後、レーザーを中心部にあててごく少量の組織を取り除きます。角膜を平坦にすることで屈折力を変え、焦点を合わせます。
――最先端のフェムト・レーシックの治療方法は?
フラップを作って角膜を開け、内部をエキシマレーザーで削るという方法は変わりません。フェムト・レーシックはフラップの開け方に特徴があります。ブレードを使わず、特殊なレーザーで角膜内に平面的にバブル(泡)を発生させ、そのバブルでフタを開けます。ブレード(刃)を使わずレーザーで処理するので、ブレードレスともいいます。
フェムト・レーシック治療はフラップの厚さを90―110マイクロメートルまで薄くすることが可能ですので、これにより従来のレーシック治療では角膜の厚さが足りずに治療ができなかった方でも、フェムト・レーシックでは治療可能となりました。
また、眼圧を上げなくて済むというメリットがあります。通常の眼圧は12―13mmHg(ミリ水銀柱)で高くても20 mmHgです。従来のレーシック治療では角膜を削りやすくするため70 ―80mmHgまで上げなくてはなりません。
一方のフェムト・レーシックでは30mmHgで済みます。眼圧を高くすると、非常に稀ではありますが、中心性網膜動脈閉塞の原因となる危険性がありますが、フェムト・レーシックでは眼圧をほとんど上げないので、より安全な術法といえます。
――術前と術後は?
いずれのレーシックでも、患者さんから相談を受けた際、眼球の状態を検査します。通常2―3時間かかります。検査結果を踏まえて最適な治療方法を選びます。糖尿病、高血圧の方は治療を避けた方が良い場合があります。ニキビ治療薬の使用・服用も、レーシック治療には不向きです。検査で瞳孔が開いてしまうので、その日は治療ができません。検査後数時間は、車の運転も控えてください。翌日以降、治療の日時を決めて来院していただきます。
治療当日もやはり車の運転は不可です。ソフトコンタクトレンズは検査および治療前1週間、ハードコンタクトレンズは2週間は外してください。角膜を最善の状態に保つためです。
術後1週間ほどは、水道水が眼に入らないようにしてください。洗顔はもちろん、シャワーや入浴も同じです。手でこすってもいけません。術後すぐでも物が見えにくといった症状はなく、すぐにスッキリ見えます。
メガネやコンタクトレンズを使用していた方が裸眼で物を見られうようになると、人生・生活が爽快に感じられるものです。バンコク・レーシック・センターであれば、日本語で安心して治療を受けることができます。まずはご相談ください。
――ありがとうございました
Bangkok Hospital
住所:2 Soi Soonvijai 7, New Petchburi Road, Bangkapi, Huay Khwang, Bangkok 10310
電話:0-2310-3257 (Japan Medical Service 7時―20時)
(レーシックの予約・問い合わせは眼科の診療時間の9時―17時)
ファクス:0-2755-1261
Eメール:jpn@bgh.co.th (平日のみ)
ウェブサイト:www.bangkokhospital.com
〈日本語の話せる先生〉 ソムサラン・ワッタナチョート医師
2013年6月3日(月) 16時38分(タイ時間)
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