【中国】清華大学の中国・世界経済研究センター主任で、前中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会委員の李稲葵氏は、香港経済日報が実施したインタビューで、今年第3四半期にも政府が大型プロジェクトを打ち出すとの見通しを示した。
経済成長ペースの減速が続くなか、「景気底割れの回避に向けて、政府が新たな方策をとる」との見解だ。
このほど発表された5月の主要経済指標は、総じて市場予想を下回る結果。足元の景気について李氏は、「確実に減速の傾向が出ている」とし、「下期も成長率の鈍化が続けば、経済構造調整の阻害要因にもなり得る」と警鐘を鳴らした。
その経済構造調整に関しては、「自転車をこぐようなもの」と形容し、ゆっくりと徐々に進める必要があると強調。経済構造の調整に向けた喫緊の課題としては、「経済成長を維持するための新たなけん引役を探すこと」と指摘する。「成長を主導するのは引き続き投資になる」としながらも、その投資を主導するのは、(これまでのような重工業を中心とする)“生産性投資”ではなく、国民生活に関連が深い“消費性投資”にすべきと提唱した。具体的には、水利や汚染処理、都市部地下水道管整備などのプロジェクトが有用とみている。これらの投資プロジェクトをスタートさせる時期としては、「第3四半期にも一部を始動させるべき」とした。
ただ、2008年に発動した4兆人民元規模の景気刺激策とは異なるとの見方。今回の投資プロジェクトは、「発展が遅れている地域を中心に実施され、投資規模も(08年のようには)大きくならない」と予想した。
また、投資の資金源に関しては、政府に依存するのではなく、「民間資金への依存を高める必要がある」と指摘する。その理由は、通貨供給量がかなりの規模に達し、金融政策の調整余地が限定的になっていること。金融緩和を実施しても、資金が実体経済に回りにくい点を上げ、目下、考えられる方法は、都市のインフラプロジェクトなどで(建設・運営後に政府に譲渡する)BOT方式を採用するなどして民間資金の一部をインフラ設備投資に用いることという。
なお、李氏は経済成長率の見通しにも言及し、「第2四半期と第3四半期は、第1四半期(7.7%)に比べて鈍化する可能性があるが、第3四半期に政策が打ち出された後、第4四半期には小幅に加速し、通年の経済成長率は7.7%前後を維持できる」と予測した。
中国:政府が第3四半期にも大型投資プロジェクト発表か
2013年6月12日(水) 14時41分(タイ時間)
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