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電気トゥクトゥク(LEV 小型電気自動車) Toyota Tsusho Electronics (Thailand) Co., Ltd.

2013年8月23日(金) 13時02分(タイ時間)
伊藤氏(左)と電気トゥクトゥク開発チーム代表の画像
伊藤氏(左)と電気トゥクトゥク開発チーム代表
伊藤 秀哉 氏 (President & CEO)

  アセアン諸国およびインドでそれぞれ1000万台規模を誇る三輪車市場。トゥクトゥク、トライシクル、オートリキシャなど各国によって呼び名はさまざまだが、多くは排気ガスや騒音といった共通の問題を抱えている。その解決の一助となるべく、弊社が研究・開発を続けているのがLEV=小型電気自動車プロジェクトだ。タイではチュラロンコン大学とバンコク大学の教師陣・学生たちとの連携で、電気トゥクトゥクを開発、各国・各界での実用化に向けて提案に乗り出している。小型EVの普及はアジア市民の移動への貢献のみならず、CO2削減など地球環境にとっても大事な効果をもたらす。

ゼロから設計の電気トゥクトゥク

 弊社は本来、車載関連組み込みソフトウエア開発、車載用電子デバイス販売、自動車向けコンテンツ配信を基幹事業としている。ソフトウエアでもコンテンツでも機能的には当然「動く」製品だが、それ自体は物体としての移動は伴わない。時には動く何かを開発する機会があるべきだと思い、そんな社内的な理由で手がけることになったのが電気トゥクトゥクだった。今から2年前のことだ。

 タイならではのデザインで人気の絶えないトゥクトゥクだが、排気ガスや騒音といった問題点は否めない。そのトゥクトゥクで二酸化炭素の排出をなくして静音化を実現させるべく、ガソリン駆動の市販を買い求めて電気用にモーターを積み替えた。簡素な造りに見えるトゥクトゥクだが、自動車としての速度や馬力などの基準が設けられており、電気トゥクトゥクも当然それらをクリアしている。クワイエット・クワイエットの意味を持つ「QQ」、第一試作車の「T1」とし、「QQ-T1」と名付けた。

 QQ-T1の開発の成功を機に、次は市販車の改造ではなくゼロから開発する「QQ-T2」プロジェクトを手がけることに。弊社だけでなく、チュラロンコン大学とバンコク大学の教師陣・生徒たちとの連携による、共同研究・開発だ。優秀な人材に集まってもらったことにより、正味3カ月ほどでQQ-T2は完成した。

鉛バッテリーを採用、迅速な交換を可能にして課題である「コストと走行距離」の打開を狙う

 電気トゥクトゥクに限らず、電気自動車の課題は常に走行距離だ。バッテリー(蓄電池)がいかに充電できて効率良く電気を流せるかに評価が集まる。走行距離だけを考えれば素材はリチウムという選択肢になるが、非常に高価だ。そこで発案したのが鉛バッテリーの採用だ。

 素材が鉛になると走行距離は縮まるが価格も一気に下がる。市販トゥクトゥクとのトータルコストの競争性を持たせるには有効な選択だ。モーターと駆動系を直結させて無駄な動きを排除、走行距離を稼げない分はバッテリー交換で対応する。バッテリー搭載は後部座席下部で、最終的には交換時間5分以内という理想的な設計となった。もちろんユースケースによってはリチウム電池でも対応できる。

 バッテリー以外でポイントなったのは、速度や走行距離のチューニングだ。開発に当たってはタイだけでなくフィリピンでも試乗を繰り返したが、「大人が何人乗った状態で、どの程度の速度でどれだけ走れるか」といった、一辺倒ではない条件が課せられる。フィリピンは特にトゥクトゥク(トライシクル)のEV化政策が推し進められており、やりがいを感じる分だけ苦労も多かった。

各国・各界で実用化に向けての提案

 QQ-T2の仕様はモーターパワー7.5kw(最大15kw)、ボルト数7.2V、バッテリーパック12V×6、最高速度60km/h(法定最高速度45km/h)、走行距離1バッテリーパック当たり1回の充電で40km、バッテリーパック充電時間8―10時間となっている。今後は量産モデルである QQ-T3(モーターパワー5kw、ボルト数48V、バッテリーパック12V×4)を予定しており、このモデルと日本製の部品を各国の地場メーカーに提案して現地生産を施していく。 

 自動車に限ったことではないが、製造業というものは「市場調査」「企画設計」「主要部品調達・物流」「製造」「販売・物流」「アフターサービス」という流れに沿って進む。弊社は会社の成り立ちとして、「製造」と「販売・物流」への参入は考えにくいが、そのほか大多数の部分で各国・各界の発展に貢献できればと思っている。周辺環境を整えることによって、さまざまな場面で小型EVの実用化は可能になりそうだ。

 例えば国立公園といった特定の観光地での利用だ。行動範囲が限られる分だけ、バッテリー交換のスタンドを設けやすい。排気ガスを出せない工場・倉庫内での利用にも向いている。屋内走行のフォークリフトなどは既に、電気駆動化が進んでいる。タイではまた、病院内やショッピングモール内でゴルフカートのようなLEVが走っている光景を見かけることが多いだろう。

 国としてはタイやフィリピンのほか、ラオスやカンボジアでも実用化に向けての提案が続いている。特にラオスは将来に向け「アジアのバッテリー」の異名をとる発電国家を目指している。多くの関連メーカーが、ラオスの今後の成長に注目している。タイでは民間会社のCSR予算や広告宣伝費での既存のエンジントゥクトゥクのEVへの転換を期待しており、提案している。

住所:15th-17th Floor, Mercury Tower 540 Ploenchit Road, Lumpini, Pathumwan, Bangkok 10330
電話:0-2639-3500 ファクス:0-2639-3503
ウェブサイト:www.ttet.co.th
《newsclip》


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