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NEDO、川重など タイで再生・細胞医療の実証試験開始

2013年10月2日(水) 02時22分(タイ時間)
【タイ】新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9月30日、タイ商務省と共同で推進している再生・細胞医療プロジェクトで、川崎重工業が開発した細胞自動培養システムの実験設備がタイのチュラロンコン大学医学部研究棟内に完成し、運転を開始すると発表した。

 このシステムはタイの動作環境やインフラに合わせた設計で、今後、同大学でシステムが稼働し、タイ国内での再生・細胞医療の研究が本格化する。

 このプロジェクトはNEDOとタイ商務省が2012年11月に締結した基本協定書に基づき、日本側の武庫川女子大学、川崎重工、大阪大学、ディーエスピーリサーチとタイのチュラロンコン大学、シーナカリンウィロート大学、マヒドン大学、アースクラップクリニック社が協力して実施するもので、実証試験の完了後、再生・細胞医療の薬事承認を取得するとともに、タイにおける臨床実績の蓄積を目指す。

 再生・細胞医療の臨床応用では、患者から採取した細胞を培養し、細胞の数を増加させて患者の患部に移植する。そのため、移植する細胞の製造(培養)と品質管理に関する基準を満たすヒト移植用の細胞培養施設(CPC)で細胞を培養することが従来は必要だった。しかし、CPCの建設・維持には多額の費用がかかる上、手作業による細胞培養には高度に熟練した技術者が必要で、再生・細胞医療の普及の障害となってきた。

 川崎重工が開発した細胞自動培養システムは高度なロボット技術を活用し、CPCと同様の環境下で高品質かつ高効率な細胞培養過程を完全自動化することに成功した。このシステムを用いることで、CPCや高度に熟練した技術者がいない医療機関でも、再生・細胞医療の臨床応用ができるようになる。

 今回のプロジェクトで目指す自動化システムによる世界初の再生・細胞医療の薬事承認は、タイ保健省食品薬品委員会から、2014年ごろに取得する計画。川崎重工が製造する細胞自動培養システムのタイでの事業化では、軟骨再生を対象としたシステムから着手する予定。
《newsclip》