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中国:関心高まる三中全会、改革の道しるべは如何に?

2013年10月29日(火) 03時48分(タイ時間)
【中国】11月に開催される共産党中央委員会・第3回全体会議(三中全会)。新指導部による新たな経済関連政策の大枠が話し合われる予定だけに、市場の関心は極めて高い。

 経済成長率の鈍化、政府主導の投資、輸出主導による経済成長モデルが限界に達し、従来の経済成長モデルがもたらした矛盾(不平等な所得分配、汚職腐敗、環境汚染、利益の寡占化など)が顕在化。これまで続いた高成長の時代から、今後は「中低速度の成長期」への移行が避けられないなか、どのように改革が推し進められるのかが焦点となっている。

 改革を推進するうえで、一つのキーワードは「経済の高度化」。李克強・首相は今年3月の首相就任以降、折に触れて「経済構造の高度化」の必要性に言及してきた。全国人民代表大会財経委員の辜勝阻・副主任は、1978~92年が「経済の1.0版」、92年から2012年の共産党大会開催までが「経済の2.0版」であるとすると、向こう10年は「経済の3.0版」になると指摘する。「3.0版」は、強力なイノベーション、持続可能な経済構造、公平で効率の高い市場環境、高収入、自然環境の改善、安定した民生保障などを意味するという。

 三中全会の市場予想が相次ぐものの、いまのところ、その内容はまちまちだ。今後の中国経済を占ううえで鍵を握る改革の内容。三中全会で、どのような改革案が決まるのか。予想が相次いで打ち出されている。

 例えばスタンダード・チャータード銀行は、「会議では、次の段階の経済改革の全体計画が制定され、土地所有権など複数のマクロ経済分野の問題も大きな突破口になる」とみる。

 一方でUBSは、「会議では向こう数年の改革の方向性や大枠が制定されるだろうが、多くの細則が発表される可能性は低い」と分析。「政府は、地方政府債務や財政制度の大手術を行う可能性は低く、土地改革や国有企業改革などの分野でも大きな突破口が見い出されることはないだろう」とし、「投資家は過大な期待を抱くべきではない」と注意喚起した。

 ニューヨークタイムズが「中国政府は、経済成長の後押しと体制改革推進の間の『微妙なバランス』の実現に努めている」と論じているように、目先の経済成長と、長期的な改革推進の間に、矛盾する関係があるのも事実。改革を進めていくうえで、既得権益者とのさまざまな利害関係の調整も難航が予想されている。

 三中全会で踏み込んだ内容が決まるにせよ、決まらないにせよ、その内容は今後の中国経済を占ううえでの大きな道しるべになる。市場関係者の関心は一段と高まりそうだ。
《亜州IR株式会社》


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