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メルセデス不振、競合2社との中国での劣勢打開できず

2013年10月31日(木) 03時30分(タイ時間)
【中国】メルセデス・ベンツの中国新車販売が振るわない。

 9月末に投入した大型高級車Sクラスのフルモデルチェンジ車は「ここ1カ月間1台も売れてない状態」と一線都市のディーラーは嘆く。売れる店舗でも1カ月で2~3台程度に過ぎないという。既存車種についても品質不安が浮上。「車内に異臭がする」との苦情が消費者の間から相次いでいる。中国企業報が29日付で伝えた。

 メルセデスの1~9月・中国新車販売台数は前年同期比で7.9%増の15万5900台にとどまる。アウディとBMWの同期の販売はそれぞれ36万8200台、26万5400台に拡大。メルセデスは販売数、伸びともに競合2社を下回った。

 メルセデスは今年8月、中国消費者の好みに合わせ、Eクラスセダンのロングホイール仕様「Eクラス・ロング」の大幅改良モデルを発売した。2000カ所を超える技術改良を行ったものの、発売後すぐに大幅値下げを余儀なくされている。ディーラーは、「BMW5シリーズ、アウディA6Lの市場を奪うためだ」と話す。だが同モデルの9月・中国販売は6500万台にとどまり、BMW5シリーズの1万2900台、アウディA6Lの8500台を下回る水準。大幅に改良したにもかかわらず、ライバル車の後塵を拝する状況を打開できていない。

 EクラスやCクラスの競争力がライバル2社に劣っているのに対し、Sクラスはこれまで常に同2社をリードする存在だった。2012年は世界全体で6万5128台を売り上げ、BMW7シリーズ(5万9184台)、アウディA8(3万8636台)を抜いた。うち中国で49%を販売している。

 中国に新投入したフルモデルチェンジ車の販売不振について、北京ベンツの販売スタッフは「これまでの価格プレミアム戦略が通用しなくなった」と明かす。業界関係者は、「ミドル・ローエンド市場で、メルセデスはすでにアウディとBMWに大きく水をあけられている。これが高級車分野でも購入層の一部を失わせる結果を招いた可能性がある」と分析した。

 顧客を失う可能性のあるもう1つの懸念材料が品質への不安。メルセデス車を巡っては、「車内で異臭がする」というクレームがこれまでに約1000人のオーナーから寄せられている。メルセデスはこれについて、「健康に危害を与えるものではない」と説明した上で、臭いの元であるマットを交換し、車内洗浄を行う――とする対応策を発表した。オーナーの多くが「マット交換後も異臭がある」と訴えているものの、メルセデスはこれに対してはいかなる対応も実施していない。

 こうしたなか、メルセデスのディーラー店には、このほど興味深い広告が店内に貼り出された。「当店で新車を購入すれば、空気清浄器を贈呈する」という内容。顧客を取り込もうとする販促活動なのだろうが、かえって異臭の存在を認めるという本末転倒な結果ともいえそうだ。
《亜州IR株式会社》

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