RSS

タイ上院がタクシン元首相らへの恩赦否決 野党はゼネスト、納税拒否呼びかけ

2013年11月12日(火) 14時26分(タイ時間)
民主記念塔で演説するステープ元副首相ら(11日)の画像
民主記念塔で演説するステープ元副首相ら(11日)
写真提供、Sirisak Love King
民主記念塔で演説するステープ元副首相(11日)の画像
民主記念塔で演説するステープ元副首相(11日)
写真提供、Sirisak Love King
【タイ】タイの議会上院(定数150)は11日、タクシン元首相派と反タクシン派の政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案の第1読会を開き、反対141、賛成0で否決した。

 法案は下院に送り返され、180日後以降に下院で再可決された場合、国王の承認を経て、法律となるが、法案を提出したタクシン派インラク政権・与党は再可決を行わない方針を示しており、廃案が濃厚となった。

 恩赦法案に反対し、バンコクで街頭デモを繰り広げてきた反タクシン派の野党民主党は目標をインラク政権打倒に切り替え、街頭デモを継続している。

 民主党幹部のステープ元副首相は11日、バンコク都内の民主記念塔で行われている座り込みの反政府集会で演説し、国民に対し、13―15日にゼネストに踏み切り反政府集会に参加するとともに、納税を拒否するよう呼びかけた。

 ステープ元副首相ら民主党の下院議員9人は翌12日、議員辞職した。街頭デモで党が法的責任を問われる事態を避けるためとみられる。辞職した議員のうち8人は選挙区選出で、補欠選挙が行われる。

 タクシン元首相は2008年に汚職で禁錮2年の実刑判決を受け、以来、投獄を避けるため、タイに帰国していない。恩赦法案は政府・与党が元首相の帰国、復権を狙ったもので、今月1日、下院を通過し、上院に送られた。

 民主党や反タクシン派団体はこれを受け、バンコクで街頭デモを開始し、都心のビジネス街シーロム通りやアソーク通りなどで、会社員、学生ら数千人が参加した。恩赦法案は世論調査でも反対が強く、政府・与党は廃案に向けかじを切った。

 インラク政権は2012年にも、同様の法律でタクシン元首相の免罪、帰国を図ったが、民主党など反タクシン派の抵抗で失敗した。現政権の最高実力者であるタクシン元首相の帰国が2度にわたって失敗した背景には、与党内にもワンマン型である元首相の帰国に消極的な空気があるためという見方がある。

 タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と、特権階級、バンコクの中間層を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治、社会が混乱している。

 反タクシン派はタクシン元首相を反王室の腐敗政治家と糾弾し、タクシン政権(2001―2006年)は2006年、特権階級の意向を受けた軍事クーデターで崩壊した。2007年末の民政移管選挙で発足したタクシン派政権も、反タクシン派デモ隊による首相府やバンコクの2空港の占拠で追い込まれ、2008年末、裁判所命令で「選挙違反」により政権を失った。

 劣勢に立たされたタクシン派は「特権階級が軍、司法を動かし、民主主義と法治をねじまげている」と主張し、2009年、2010年と民主党連立政権打倒のデモを実施。2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、91人が死亡、約2000人が負傷した。2011年の下院総選挙ではタクシン派が再び勝利し、タクシン元首相の妹のインラク氏が首相に就任した。
《newsclip》

特集



新着PR情報