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中国:三中全会コミュニケの解釈で議論広がる

2013年11月15日(金) 02時08分(タイ時間)
【中国】中国共産党中央委員会・第3回全体会議(三中全会)後に発表されたコミュニケについて、その解釈を巡りさまざまな議論が繰り広げられている。

 14日付香港経済日報は、◆国有企業改革、◆金融改革、◆国家安全委員会と改革リーダーグループの設置、◆政治制度改革、◆司法改革――の5分野に対する市場の見方、懸念をまとめた。

<国有企業改革>
 一つ目の国有企業改革――。コミュニケでは、資源配分のなかでの市場の役割をこれまでの“基礎的”から“決定的”に変更し、市場経済の役割を強化する方向を明示したものの、一方で、「公有制主体の地位は堅持する」、「国有経済の支配力を増強する」など、市場経済化への歩みと矛盾する方針を表明。「国有企業の寡占化を打破する」などの文言はみられない。ある経済学者は「国有企業はまさに、政府と市場の境目の極めてあいまいな地位にあり、さまざまな分野での寡占が公平競争を妨げ、イノベーションを抑制し、腐敗につながっている。国有企業がある限り、公平な競争は不可能」と指摘した。

<金融改革>
 二つ目の金融改革――。市場原理が働かない金融システムがシャドーバンキング(影の銀行)などの問題につながるなか、金利自由化や銀行業の民間資本への開放など金融改革推進を求める声が強まっている。ただ、コミュニケには具体的な内容が盛り込まれていなかった。銀行など既得権益集団の規模が大きいうえ、議論する部分があまりにも多いだけに、コンセンサスを得るのは難しいとみられている。

<国家安全委員会と改革リーダーグループの設置>
 三つ目の国家安全委員会と改革推進にあたっての「リーダーグループ」の設置――。国家安全委員会は、習近平・国家主席が軍隊や外交、公安などの部門を直接治め、権力を集中させる格好。また、改革推進のリーダーグループは、「共産党に属するのであれば、経済分野の権力も共産党に集中する」とみる向きもある。この点を踏まえ、「(国務院が政策を執行する機関にすぎなくなるなど)国務院の役割が低下するのではないか」、「習近平氏に権力が集中し、トウ小平氏に次ぐ実権を持ったリーダーになるのではないか」との思惑が浮上した。

<政治制度改革>
 四つ目の政治制度改革――。コミュニケでは「党がリーダーとなり、それを国民が支持する」としたうえで、「政治体制改革を深める」との文言を盛り込んだ格好。改めて、共産党がリーダーである事実を強調した。「政治は左、経済は右」という特徴が鮮明になっているという。

<司法改革>
 五つ目の司法改革――。コミュニケでは「憲法・法律の権威を守り、法律に基づく、独立して公正に、審判権と検察権を行使させる」とし、「司法の独立」の提出を回避した。特に踏み込んだ内容は盛り込まれず、司法の独立が確立されるのはまだ難しいとみられている。
《亜州IR株式会社》


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