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中国:衛星打ち上げロケットの残骸が農家直撃、賠償総額27万円

2013年12月5日(木) 15時43分(タイ時間)
【中国】12月2日未明、無人月探査機「嫦娥3号」を搭載したロケット「長征3号B」の打ち上げから約8分後に切り離された第一段ロケットの残骸が、湖南省西南部の綏寧(すいねい)県に落下した。

 農家2軒を直撃し、穀物倉庫を破壊するなどの損害を与えている。幸い、死傷者はいなかった。賠償金としてそれぞれの農家に1万800人民元(約18万1000円)と5200人民元(約8万7000円)の合計1万6000人民元(約26万8000円)が支払われる。現場からはロケットエンジンの尾翼部分などが回収された。瀟湘晨報が伝えた。

 中国打ち上げロケット技術研究院の研究者によると、ロケットにはそれぞれ一定の落下範囲が想定されている。通常は省境などの辺鄙な地域に、幅30km、長さ50km~70kmの範囲内で落下するよう設定。被害を最小限に抑えるよう工夫されている。また、現有の西昌・太原・酒泉の三大センターを越える最先端のロケット打ち上げセンターを海南省文昌に建設することを計画中。完成すれば、残骸は南シナ海に落下し、被害の減少につながるという。さらに、回収装置を備えたロケットが将来的に開発されれば、残骸問題を根本的に解決することも可能だ。

 中国では残骸の落下による損害賠償責任は、国家または地方政府が負担しているのが現状。通常、気象衛星や通信衛星には賠償責任保険が付保されるが、政府が主導する軍事関連や科学技術関連の衛星打ち上げには、多くが付保されない。また、一般の賠償責任保険の限度額を超える賠償額が発生した場合、超過分を政府が補償するか否か――といった問題も未解決なままだ。

 法律専門家は、「国際慣例や司法範例の観点からして、打ち上げ国は、充分な補償内容を備えた賠償責任保険を付保すべき。政府主導の下、国民や国家財産の被害に対し充分な補償を行う仕組みを検討する必要がある」と提唱した。
《亜州IR株式会社》


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