RSS

中国:短期金利の上昇が止まらず、構造的な問題が背景に

2013年12月25日(水) 13時49分(タイ時間)
【中国】中国で短期金融市場の金利上昇が収まらない。「年末」という季節的な要因もさることながら、構造的な要因が背景にあるため、金融改革の必要性が改めて指摘される状態だ。

 足元の金利上昇を受け、中国人民銀行(中央銀行)は短期流動性オペレーション(SLO:short term liquidity operations)で3000億人民元(約5兆1500億円)の資金を市中に供給。しかし、23日も上海銀行間取引金利(SHIBOR)は全面的に上昇した。

 金利上昇が収まらない要因としては、年末という季節要因(銀行が年末時点の預貸比率を押し上げるため資金手当てを急いでいることや、企業側の決済用資金の需要が拡大していること)もさることながら、銀行の資金調達と運用に関する期限のミスマッチが挙げられる。

 その典型的な例が、銀行の資産運用商品の一種である「理財商品」。理財商品の期限は短期に設定されることが多い半面、その運用先は不動産や地方政府関連などの長期プロジェクトが中心だ。理財商品を購入した顧客に対し、銀行は銀行間市場から短期の資金を借り入れて返済するという「調達は短期、運用は長期」という構造的な問題がくすぶり続けている。

 特に、年末に満期を迎える金融商品の返済に向け、銀行は銀行間市場で短期の資金を手当てする必要がある。これが金利上昇に拍車をかけている。こうした状況を踏まえ、「銀行は本当に資金が不足しているのではなく、不足しているのは短期内に機動的に動かせる資金」との指摘が多く、資金需給のひっ迫は、銀行の資金調達面の脆弱性や金融市場の管理体制の遅れを映し出している格好だ。

 加えて、足元の銀行間取引金利の上昇は、「中国人民銀行の金融政策の構造的な変化も影響している」との見方もある。従来、人民銀行はインフレと経済成長の目標に目配りした政策運営が中心だったが、最近は金融リスクや不動産バブルリスクを制御するためのデレバレッジ(負債圧縮)を強調。銀行間取引市場の金利が上昇しやすい傾向が強まっている。

 金利上昇の根底には、実体経済の構造問題(実際に資金が必要なところに資金が回らない資金配分の歪みなど)や金利規制(預金者が低金利を余儀なくされているなど)など数々の構造的な問題がある。それだけに、足元の資金需給のひっ迫は、金利自由化などの改革推進を迫っているものと受け止める向きが多い。
《亜州IR株式会社》


新着PR情報